ネット回線の通信品質に悩みを抱える方にとって、光回線とメッシュWi-Fiの組み合わせは、家全体で快適な接続環境を実現するための理想的な選択肢となっています。
本記事では、光回線とメッシュWi-Fiの仕組み、導入するメリット、注意点について詳しく解説します。
では、まず光回線とメッシュWi-Fiの基本的な仕組みから見ていきましょう。
この記事で分かること
- 光回線とメッシュWi-Fiを組み合わせるメリット
- 導入前の注意点や導入時のポイント
- 光回線×メッシュWi-Fiを活用するコツ
- メッシュWi-Fi対応の光回線事業者や製品情報 など
メッシュWi-Fiとは? 仕組みを分かりやすく解説
まずは仕組みや役割について詳しく説明します。
メッシュWi-Fiとは複数のアクセスポイントが相互通信して広範囲をカバーする方法
メッシュWi-Fiは、複数のアクセスポイント(サテライトやノードと呼ばれます)を使って家庭内にWi-Fi電波を広げるネットワークシステムです。
これにより、家中どこでも安定した接続を可能にします。
一般的なWi-Fiルーターは1台で電波を提供しますが、広い家や複雑な間取りの場合、電波が届かない「死角」が発生することがあります。
メッシュWi-Fiは、複数のアクセスポイントが連携して動作するため、このような死角を解消し、家全体をカバーする仕組みです。
「メッシュ」とはネットワーク構成(トポロジー)のこと
メッシュWi-Fiの「メッシュ」とは、ネットワーク構成(トポロジー)の一種を指します。
その名の通り、網目状にネットワーク機器を接続する構成で、メッシュのほかに、ツリー、リング、バス、スター構成などがあります。
Wi-Fiのメッシュネットワークやセンサーネットワークなどでは、複数のノード(端末やルーター)が相互に接続し合い、直接・間接的にデータを中継できる構造を「メッシュトポロジー」と呼びます。
一方、「10kmメッシュのエリア」や「メッシュでカバーする」という言い方が使われることもありますが、
これは移動体通信などで「どの範囲まで通信可能か」を指す場合や、地理情報の分割(メッシュコードのような区画)などを表す場合が多いです。
メッシュ構成にはフルメッシュ型とパーシャルメッシュ型がある
フルメッシュ型は、すべてのノードが他のすべてのノードと直接接続されるネットワーク構造ですが、主に小規模で高信頼性が必要なネットワークに適しています。
一方、パーシャルメッシュ型は一部のノードのみが直接接続され、フルメッシュより接続数を減らしてコストを削減する構造です。
メッシュWi-Fiと中継器の違い
メッシュWi-FiとWi-Fi中継器は、どちらも電波の範囲を広げるために使われますが、仕組みや機能に大きな違いがあります。
中継器はルーターから送られてくる信号を中継して範囲を広げますが、その過程で通信速度が低下することがあります。
一方、メッシュWi-Fiではアクセスポイント同士が直接通信を行い、データを効率的にルーティングします。
そのため、通信速度の低下が少なく、安定した接続が可能です。
また、メッシュWi-Fiは1つのネットワーク名(SSID)で家全体をカバーするため、移動中の接続切り替えもシームレスです。
光回線でメッシュWi-Fiを利用する4つの大きなメリット
その中でも特に重要な4つのポイントを紹介します。
メリット
- 家全体で安定した接続が可能になる
- 複数のデバイス接続でも通信が安定する
- ネットワークの自動最適化で快適性向上
- シームレスな接続切り替えが可能
家全体で安定した接続が可能になる
メッシュWi-Fiを導入すると、家の隅々まで安定したWi-Fi接続が可能になります。
複数のアクセスポイントが協力して電波を届けるため、広い家や複数階建ての住宅でも快適な通信環境を提供します。
複数のデバイス接続でも通信が安定する
現代の家庭では、スマートフォン、タブレット、PC、スマート家電など、多数のデバイスが同時にインターネットに接続されています。
従来のルーターでは通信が不安定になるケースがありますが、メッシュWi-Fiは各デバイスに適切な電波を割り当てる機能があり、複数のデバイスを同時に接続しても安定した通信を保つことが可能です。
ネットワークの自動最適化で快適性向上
多くのメッシュWi-Fiには、自動的に最適なネットワーク構成を選択する機能が備わっています。
家中どこにいても最適な接続ポイントに自動で切り替わるため、インターネットの速度や安定性が向上し、ストレスなく利用できます。
シームレスな接続切り替えが可能
メッシュWi-Fiでは、家の中を移動してもネットワークの切り替えがシームレスに行われます。
通常のルーターや中継器では、接続が切れたり再接続が必要になることがありますが、メッシュWi-Fiならその心配はありません。
光回線でメッシュWi-Fiを使う前に知っておきたい注意点
デメリット
- 機器購入費用やレンタル費用が発生する
- 対応するルーターの選択が必要
- 設置場所や台数に注意が必要
- 通信速度がわずかに低下する可能性がある
機器購入費用やレンタル費用が発生する
メッシュWi-Fiの導入には、複数のアクセスポイントを購入するための費用が発生します。
特に高性能な製品を選ぶ場合はコストがさらに上昇する可能性があるので、導入前に予算や必要なアクセスポイントの数をしっかりと計画しておくことが重要です。
また、価格だけでなく性能や機能も考慮して選ぶようにしましょう。
光回線事業者がオプションとしてメッシュWi-Fiを提供している場合は、機器の購入は不要ですが、毎月レンタル料がかかります。
対応するルーターの選択が必要
メッシュWi-Fiを導入する際は、既存のルーターがメッシュWi-Fiに対応しているか確認する必要があります。
一部のルーターは対応していない場合があり、新たなルーターの導入が必要になるケースもあります。
また、購入予定のメッシュWi-Fiシステムが光回線の速度や仕様に合っているかどうかも事前に確認しましょう。
設置場所や台数に注意が必要
メッシュWi-Fiの効果を最大限に活かすには、アクセスポイントの設置場所や台数にも注意が必要です。
不適切な配置だと電波が届きにくい場所が残ってしまう可能性があります。
一般的には、アクセスポイント同士の距離を取りすぎず、壁や家具などによる障害を最小限に抑えることが推奨されます。
通信速度がわずかに低下する可能性がある
メッシュWi-Fiは安定した接続を提供しますが、アクセスポイント間の通信が増えることで、わずかな速度低下が生じることもあります。
アクセスポイントが多いほどその傾向が大きくなる場合があるため、高性能なメッシュWi-Fiシステムを選ぶか、LANケーブルを使用した有線接続を活用するなどの対策を検討するとよいでしょう。
光回線でメッシュWi-Fiを最大限活用するためのコツ
具体的な方法を紹介します。
快適に利用するためのコツ
- 適切なルーターの配置を考える
- ファームウェアの定期的な更新を行う
- 接続デバイスの管理を徹底する
適切なルーターの配置を考える
メッシュWi-Fiの性能を最大化するには、アクセスポイントの配置が重要です。
家全体に均一な電波を届けるためには、アクセスポイント同士を適切な間隔で設置する必要があります。
一般的には、家の中心や利用頻度の高い部屋を基準にして配置するのがおすすめです。
ファームウェアの定期的な更新を行う
メッシュWi-Fiシステムの性能維持と新機能の利用には、ファームウェアの定期更新が不可欠です。
メーカーが提供するアップデートによってセキュリティが強化されたり、通信性能が向上する場合があります。
接続デバイスの管理を徹底する
同時接続するデバイスが多いと、ネットワークが混雑して通信が不安定になる可能性があります。
メッシュWi-Fiの管理アプリを使えば、接続デバイスの一覧を確認したり、不要なデバイスを制限するなど、ネットワーク全体のパフォーマンスを最適化できます。
メッシュWi-Fiを提供している光回線事業者
メッシュWi-Fiに対応している、おすすめの光回線事業者を紹介します。
おすすめ光回線
- SoftBank光
- J:COM NET
- NURO光
- auひかり
SoftBank光
SoftBank 光は、メッシュWi-Fiを利用できるオプションを提供しています。
SoftBank 光を導入すれば、家中どこでも安定したWi-Fi環境を実現でき、初期設定も簡単です。
さらに、SoftBankスマホとのセット割を利用すれば、毎月の通信コストを抑えられます。
広い家や複数階の建物で特に効果を発揮するので、快適さを大きく向上できるでしょう。
提供エリア | NTT東日本・NTT西日本フレッツ光回線の提供エリア |
開通までの期間目安 | 申込日+4日+最短6営業日以降で選択可 |
最大通信速度 | 1G〜10Gbps(プランにより異なる) |
セット割引 | ソフトバンクスマホとセットで1,100円/月割引(※おうち割) |
初期費用 | 事務手数料:3,300円 立ち会い工事なし:2,200円 立ち会い工事あり:26,400円(月額料金に上乗せし分割可能) 立ち会い工事あり(室内のみ):10,560円 |
月額料金 | 戸建て:5,720円 集合住宅:4,180円 (プランにより異なる) |
キャッシュバック | 有り |
契約縛り期間 | 2〜5年(プランにより異なる) |
契約解除料 | 最大6,380円(プランにより異なる) 自動更新なしプラン:契約期間終了後はなし |
運営会社 | ソフトバンク株式会社 |
J:COM NET
J:COM NETは、ケーブルテレビとネット回線をセットで提供している事業者です。
メッシュWi-Fiのオプションでは、複数のメッシュポイントを設置し、家全体をカバーするWi-Fi環境を構築できます。
特に、コンクリート壁が多い家や広い住宅に住んでいる方におすすめです。
また、専用アプリでWi-Fiの状態を可視化しながらリアルタイムで管理できる点も便利な特徴となっています。
提供エリア | 日本全国 ※住所や物件によっては利用できない場合があります。 詳細は必ずJCOM公式HPをご確認ください |
開通までの期間目安 | 光1G・5G・10Gコース:約1カ月後 J:COM NET 1Gコース:最短4日〜(同軸ケーブル利用) |
最大通信速度 | 1G〜10Gbps(プランにより異なる) |
セット割引 | auスマホと自宅の光回線セットで最大1,100円/月の割引 UQモバイル指定プランとセットで最大1,100円/月の割引 J:COMサービスとセットで、J:COMモバイルのデータ容量増量 |
初期費用 | 手数料:3,080~3,300円(税込) 基本工事費:47,520円(税込) |
月額料金 | 5,258円〜7,568円(税込)(プランにより異なる) |
契約縛り期間 | 縛りなし |
契約解除料 | プランにより異なる |
運営会社 | JCOM株式会社 |
NURO光
NURO光は、圧倒的な高速通信が魅力の光回線サービスで、SONY製メッシュWi-Fiのオプションサービスを提供しています。
NURO光が提供する専用ルーターの中には、メッシュWi-Fiとして利用可能な機種もあり、ほぼ追加設定なしで使えます。
最大2Gbpsという高速通信に加え、家中どこでも安定した接続を実現できるため、オンラインゲームや動画ストリーミングを快適に楽しみたい方におすすめです。
提供エリア | 北海道・関東・東海・関西・中国・九州の一部エリア |
開通までの目安 | 戸建ての場合、1~2カ月程度 集合住宅の場合、1~3カ月程度 |
初期費用 | 事務手数料:3,300円 標準工事費:44,000円 |
月額料金 | 5,200〜8,517円(プランにより異なる) |
キャッシュバック | 有り |
契約縛り期間 | なし・2年・3年 |
契約解除料 | 528〜4,400円(プランにより異なる) |
運営会社 | ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 |
auひかり
auひかりは、おうちどこでもWi-Fiというオプションを提供しています。
このオプションを利用すれば、広範囲で安定したWi-Fi環境を手軽に整備できます。
auスマホユーザーであれば、セット契約による割引が適用され、コストパフォーマンスも高まります。
高速通信と安定性が魅力のauひかりにメッシュWi-Fiを組み合わせることで、大容量データ通信や同時接続にも余裕を持って対応できます。
提供エリア | 全国(中部・関西・沖縄・一部地域を除く) |
最大通信速度 | 1G〜10Gbps(プランにより異なる) |
セット割引 | auスマホとセットで1,100円/月割引 |
開通までの目安 | マンション:2週間程度 戸建:1〜2カ月程度 |
初期費用 | 事務手数料:3,300円 工事費:33,000〜41,250円(月額料金に上乗せし分割可能) |
月額料金 | 4,730円〜6,908円(プランにより異なる) |
キャッシュバック | 有り |
契約縛り期間 | なし・2年・3年 |
契約解除料 | 2,730〜4,730円(プランにより異なる) |
運営会社 | KDDI株式会社 |
自分で購入して設置することも可能
メッシュWi-Fiは、光回線事業者のオプションを利用しなくても、自分で製品を購入して設置することが可能です。
これにより、より自由度の高いネットワーク構築ができます。
まず、家の広さや構造を考慮して、必要なメッシュポイントの台数を見極めましょう。
鉄筋コンクリート造の建物の場合は電波が届きにくいため、より強力なメッシュWi-Fiシステムが必要になることがあります。
次に、インターネット回線との互換性も確認が必要です。
すべてのメッシュWi-Fi製品があらゆる回線で動作するわけではないため、対応状況をよくチェックしましょう。
最後に、価格や機能性を比較して、予算とニーズに合った製品を選ぶことが大切です。
メッシュWi-Fiに関するよくある質問と回答
疑問を解消する際の参考にしてください。
メッシュWi-Fiはどのくらいの範囲をカバーできますか?
メッシュWi-Fiのカバー範囲は、使用するモデルやアクセスポイントの数によって異なります。
一般的には1台のアクセスポイントで約100~150㎡をカバーしますが、複数設置すればより広い範囲をまかなえます。
家の構造や壁の材質などによって電波の届き方も変わるため、必要な範囲をあらかじめ把握しておくと失敗を防げます。
既存のルーターにメッシュWi-Fiを追加できますか?
既存のルーターにメッシュWi-Fiを追加することは可能です。
ただし、互換性の有無を事前に確認する必要があります。
ルーターによってはメッシュWi-Fiと併用できないこともあるため、その場合は買い替えやメッシュWi-Fi専用のシステムを導入する必要があります。
また、一部のメッシュWi-Fiシステムでは既存ルーターをブリッジモードで使用し、追加の機器をスムーズに導入できる場合もあります。
メッシュWi-Fiの導入に月額費用はかかりますか?
基本的にメッシュWi-Fiの導入自体には月額費用はかかりません。
初期費用として機器を購入すれば、その後のランニングコストは通常発生しない仕組みです。
ただし、光回線事業者がオプションとして提供しているメッシュWi-Fiの場合は、機器をレンタルすることになりますので毎月機器のレンタル料は発生します。
また、セキュリティサービスやクラウド管理機能などをオプションで利用する場合、月額料金が発生することがあります。
必要かどうかを検討して選択しましょう。
マンションでメッシュWi-Fiは必要ないですか?
メッシュWi-Fiは一戸建てなど広範囲をカバーしたい場合に導入されがちですが、マンションでも鉄筋コンクリート造やメゾネットタイプなどで電波が届きづらい場合には効果を発揮します。
ただし1〜2LDK程度なら高性能なWi-Fiルーター1台や中継機で十分なケースもあります。
ポイントは「電波が届かない部屋がないか」「同時接続で通信が不安定にならないか」をチェックしてみてください。
問題なければ無理にメッシュWi-Fiを導入する必要はありませんが、部屋数や利用端末が多く通信が不安定なら検討する価値があります。
メッシュWi-Fiと中継器のどちらが良いですか?
メッシュWi-Fiと中継器にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
家全体をシームレスにカバーしたい場合や、移動中の接続切り替えをスムーズにしたい場合はメッシュWi-Fiがおすすめです。
一方、比較的安価に死角を補強したい場合は中継器でも十分なケースがあります。
ただし、中継器は電波を中継する過程で速度低下が起きやすい点に留意してください。
まとめ:光回線とメッシュWi-Fiで家中どこでも快適なネット環境を実現しよう
光回線とメッシュWi-Fiの組み合わせによって、家中どこでも快適で安定したインターネット接続が可能になります。
広範囲のカバーや複数デバイスの同時接続など、現代の家庭に求められる要素をしっかりと満たしてくれる魅力的な選択肢です。
ただし、導入には設置場所の工夫が必要になる場合もあるため、注意点をしっかり把握して計画的に進めましょう。
まとめ
- メッシュWi-Fiは家全体で快適なインターネット環境を構築可能
- メッシュWi-Fi導入には事前の計画と予算確認が重要
- アクセスポイントの配置やファームウェア更新で最大限の効果を発揮
- 光回線事業者のオプションや自前の機器導入で自由度は高い
快適なネット環境を手に入れれば、リモートワークやオンライン学習、エンターテインメントもより充実したものになります。