現在、スマートフォンを持つ多くの人々にとって「格安SIM」は一般的な選択肢になりつつあります。
大手キャリアに比べてコストパフォーマンスに優れている格安SIMは、毎月の通信費を大幅に削減できる点で非常に人気です。
この記事では、現役の通信技術者が厳選した格安SIMのランキングと、格安SIMを使う上でのメリットやデメリットを詳しく解説します。
この記事を読むだけで、自分でスマホ回線の品質を客観的に評価できるように解説しています。
この記事で分かること
- 現役の通信技術者がおすすめする格安SIM
- 格安SIMの特徴とメリット・デメリット
- 自分で最適な光回線を選べるようにするための確認ポイント解説 など
この記事の目的について
この記事の目的は、セールス目的で誇張された情報や誤情報に惑わされず、読者が自分の力でスマホ回線の品質を正しく判断できるようにすることです。
ユーザーが最適な回線を選択できるよう、具体的で実用的な知識を提供することを目指しています。
【はじめに】格安SIMとは?変化しつつあるその定義について
格安SIMは、主ににMVNO(仮想移動体通信事業者)のことを表す表現として広まりましたが、一部で、Y!モバイルや楽天モバイルなどのMNO(移動体通信事業者)も格安SIMとして分類されている場合や、MNOの格安プランも含まれ、定義が明確化されていません。
Y!モバイルは2.5GHzの免許を持つ正式なMNOで、現在はソフトバンクが吸収合併しサブブランドとしての販売手法が取られていることと、楽天モバイルがかつてMVNOだった時期がある事に起因しています。
格安SIMは安価に使えるスマホ回線という認識でOK
前述の通り、格安SIMの定義は明確化されておらず、現在はMNOでもMVNOに対抗する廉価版のプランをリリースしています。
MNO Mobile Network Operator (移動体通信事業者) |
自社でモバイル回線の構築および運営をしている事業者 ・docomo ・au ・SoftBank ・楽天モバイル ・Y!mobile(ソフトバンク) ・UQコミュニケーションズ |
MVNO Mobile Virtual Network Operator (仮想移動体通信事業者) |
MNOから回線を借りて運営している事業者 ・J:COMモバイル ・イオンモバイル ・IIJmio ・mineo ・NUROモバイル ・BIGLOBEモバイル など |
フルMVNOとライトMVNOの違い
これらの中でも「フルMVNO」と「ライトMVNO」には大きな違いがあります。
フルMVNOとは
フルMVNOは、MNO(移動通信事業者)からアクセスネットワークを借りている一方で、SIMカードの発行やユーザー管理といった通信サービスの多くを自社で管理しています。
フルMVNOは、移動体通信の国際識別子であるMNCやIMSIを自社で保有し、独立した移動通信事業者として運営しています。
このため、フルMVNOはより柔軟なサービス展開が可能で、独自の料金プランや付加価値サービスを提供できる点が大きな特徴です。
また、HLR(Home Location Register)やHSS(Home Subscriber Server)といった加入者情報を管理するシステムを自社で運用しているのが特徴です。
ライトMVNOとは
一方、ライトMVNOは通信インフラの大部分をキャリアに依存しており、SIMカードの発行や認証などもキャリアに委託しています。
そのため、フルMVNOに比べて自由度は制限されますが、運営コストを抑えることができるため、低価格でサービスを提供することが容易です。
現役通信技術者がプロが選ぶ!格安SIMおすすめランキング超厳選6プラン
ここで紹介する格安SIMは、通信品質、料金、サポート体制、使いやすさなど、様々な観点から評価しました。
評価項目はこちらをご確認ください。
おすすめ格安SIM厳選6プラン
- ahamo(ドコモ回線)
- irumo(ドコモ回線)
- mineo(au・ドコモ・ソフトバンク回線)
- IIJmio(ドコモ・au回線)
- 楽天モバイル(楽天・一部au回線)
- J:COMモバイル(au回線)
用語解説
- テザリング:スマートフォンなどのモバイルデバイスをインターネット接続のルーターとして使用し、他のデバイスをインターネットに接続する機能。
- eSIM:Embedded SIMの略。通常のSIMカードは、通信キャリアを切り替えるために物理的なカードの差し替えが必要ですが、eSIMは遠隔から通信キャリアの情報変更が可能。
ahamo(ドコモ回線)
まず最初にご紹介するのは、ドコモが提供する「ahamo」です。ahamoは、大手キャリアの回線品質を保ちながらも、リーズナブルな料金設定が魅力のプランです。
特に、20GBのデータ通信が月額3,000円未満で利用できる点が大きな魅力です。また、5G通信にも対応しており、都市部での高速通信が期待できます。
ahamoの強みは、キャリア直営のサービスであるため、サポート体制が充実していることです。
故障やトラブルが発生した際には、ドコモショップでのサポートを受けられる点も安心です。
また、追加料金なしで国際ローミングが30GBまで利用できる点も、海外旅行や出張が多いユーザーにとっては嬉しいポイントです。
さらに、月額料金がリーズナブルでありながらも、定期的に行われるキャンペーンや特典が充実しているため、さらにお得に利用することができます。
月額料金 | 2,970円(30GBプラン)、4,950円(100GB大盛りオプション付き) |
通話料金 | 5分以内の通話無料、かけ放題オプションあり |
利用回線 | ドコモ回線 |
契約事務手数料 | 無料 |
eSIM | 対応 |
テザリング | 無料 |
海外利用 | 91か国で追加料金なし、15日以上で速度制限 |
支払い方法 | クレジットカード、口座振替 |
主なキャンペーン | dポイント還元(最大4,000ポイント) |
irumo(ドコモ回線)
次におすすめするのは、同じくドコモ回線を使用する「irumo」です。irumoは、少量のデータ利用に特化したプランを提供しており、月額1,000円台から利用できる点が魅力です。
データ使用量が少ないユーザーや、サブ回線として利用したいユーザーに最適です。
irumoは、徹底したコスト削減により低価格を実現していますが、それでも通信品質には妥協していません。
ドコモの強力な回線を利用しているため、地方でも安定した通信が可能です。
また、1GBプランから5GBプランまで選択肢が広く、自分の使用スタイルに合わせてプランを選べるのも嬉しいポイントです。
さらに、irumoは、契約期間の縛りがなく、いつでも解約が可能な点も大きな魅力です。
月額料金 | 550円(0.5GB)、2,167円(3GB)、2,827円(6GB)、3,377円(9GB) |
通話料金 | 22円/30秒 |
利用回線 | ドコモ回線 |
契約事務手数料 | 1,100円~2,200円 |
eSIM | 対応 |
テザリング | 無料 |
海外利用 | 対応 |
支払い方法 | クレジットカード、dカード支払い割あり |
主なキャンペーン | ドコモ光やhome 5Gとのセット割引あり |
mineo(au・ドコモ・ソフトバンク回線)
mineoは、柔軟なプラン設定と、ユーザーコミュニティが充実している点が特徴です。
特に、データをシェアしたり、プレゼントしたりできる「パケットギフト」機能が人気で、家族や友人とのデータのやり取りが簡単に行えます。
mineoの強みは、料金プランの自由度が非常に高いことです。1GBから30GBまでのプランが用意されており、自分の使い方に応じて最適なプランを選択できます。
また、速度制限時でも1.5Mbpsの速度が確保される「マイそく」プランは、データ量を気にせずに使えるので、特にSNSや音楽ストリーミングをよく利用するユーザーにおすすめです。
さらに、mineoはサポート体制も充実しており、オンラインチャットや電話でのサポートが受けられるほか、ユーザー同士が情報を交換できる「マイネ王」というコミュニティサイトも活用できます。
月額料金 | 1,298円(1GB)、1,518円(5GB)、2,178円(10GB)など |
通話料金 | 22円/30秒、かけ放題オプションあり |
利用回線 | au・ドコモ・ソフトバンク回線 |
契約事務手数料 | 3,300円 |
eSIM | 対応 |
テザリング | 無料 |
海外利用 | 対応 |
支払い方法 | クレジットカードなど |
主なキャンペーン | 契約事務手数料無料キャンペーンやdポイント付与など |
IIJmio(ドコモ・au回線)
IIJmioは、長年にわたり安定した通信サービスを提供している日本の老舗プロバイダ「インターネットイニシアティブ(IIJ)」が運営する格安SIMサービスです。
IIJmioの最大の魅力は、シンプルでわかりやすい料金プランと、多様なユーザーニーズに応える柔軟なオプションです。
月額850円(税込)から始まる低価格プランに加え、eSIMにも対応しており、音声通話やデータ通信が自由に選べます。
また、初期費用無料や、6ヶ月間データ増量などのお得なキャンペーンが随時開催されており、新規契約者にとって非常に魅力的です。契約事務手数料やSIM発行手数料が無料になることもあります。
IIJmioのもう一つの強みは、データシェアや家族での利用にも適している点です。
家族みんなで同一契約に紐づけて、データ容量を共有できるため、家族全体で通信コストを抑えることが可能です。
月額料金 | 850円(2GB)、990円(4GB)、1,500円(8GB)など |
通話料金 | 11円/30秒、かけ放題オプションあり |
利用回線 | ドコモ・au回線 |
契約事務手数料 | キャンペーン期間中は無料 |
eSIM | 対応 |
テザリング | 無料 |
海外利用 | 対応 |
支払い方法 | クレジットカードなど |
主なキャンペーン | 契約事務手数料無料キャンペーンや、6ヶ月間データ増量キャンペーン |
楽天モバイル(楽天・一部au回線)
楽天モバイルは、楽天グループが提供する格安SIMで、3GBまでのデータ使用なら1,078円で利用できる点が大きな特徴です。
また、楽天市場でのポイント還元率がアップするなど、楽天エコシステムとの連携が強力です。
楽天モバイルは、自社回線と一部au回線を併用しており、都市部では高速通信が可能です。
しかし、地方ではau回線を利用するため、安定した通信品質を確保しています。
さらに、無制限データプランも用意されており、データを大量に使用するユーザーにも適しています。
楽天モバイルのもう一つの強みは、ポイントを活用したお得な利用が可能な点です。
楽天ポイントが毎月の通信費に利用できるため、楽天市場での買い物をよく利用する方にとっては非常にお得です。
また、契約期間の縛りがなく、解約時の違約金がないため、自由に乗り換えができる点も魅力です。
月額料金 | ~3GB: 1,078円、~20GB: 2,178円、無制限: 3,278円 |
通話料金 | Rakuten Link使用で無料、通常通話22円/30秒 |
利用回線 | 楽天回線およびau回線 |
契約事務手数料 | 無料 |
eSIM | 対応 |
テザリング | 無料 |
海外利用 | 2GBまで無料、その後は追加チャージが可能 |
支払い方法 | クレジットカード、デビットカード、口座振替、楽天ポイント |
主なキャンペーン | 楽天ポイント還元(新規契約、端末購入、紹介など) |
J:COMモバイル(au回線)
au回線を利用する「J:COMモバイル」も、格安SIMとして高い評価を受けています。
J:COMモバイルは、充実したサポートと、au回線の高い安定性が特徴です。
特に、J:COM TVやインターネットサービスを利用しているユーザーにとって、セット割引が適用されるため、通信費を大幅に削減できる点が大きな魅力です。
J:COMモバイルのプランは、3GBから20GBまで幅広く対応しており、家族での利用や、動画視聴が多いユーザーにも適しています。
また、特定のエリアでは、J:COMの店舗で直接相談やサポートが受けられるため、困ったときにも安心です。
また、J:COMモバイルは、au回線を利用しているため、地方でも広範囲にわたって高速通信が可能です。
月額料金 | 1,078円(1GB)、2,178円(5GB)、2,728円(10GB)、4,378円(20GB) |
通話料金 | 22円/30秒、5分かけ放題が550円/月、60分かけ放題が1,650円/月 |
利用回線 | au回線 |
契約事務手数料 | キャンペーン中に限り無料 |
eSIM | 非対応 |
テザリング | 無料 |
海外利用 | 対応 |
支払い方法 | クレジットカードのみ |
主なキャンペーン | 新規契約事務手数料無料、シニア60割 |
格安SIMを使うメリットはここにあり!
格安SIMを利用する際の主なメリットを紹介します。
格安SIMのメリット
- 月額料金が圧倒的に安い
- 多くの会社の中から好きな会社を選べる
- プランやオプションが豊富
- 店舗に行かずにオンラインで契約できる
月額料金が圧倒的に安い
格安SIMを選ぶ最大の理由は、その「月額料金の安さ」です。
大手キャリアと比較しても、同じデータ量や通話プランを提供する格安SIMは、半額以下の料金で提供されることが多いです。
特に、通話が少ない方やWi-Fi環境でインターネットを利用することが多い方にとって、毎月の固定費を大幅に削減できる点は非常に魅力的です。
例えば、月額2,000円以下のプランでも十分なデータ通信が可能な場合が多く、年間で見ると数万円の節約になります。
多くの会社の中から好きな会社を選べる
格安SIM市場は非常に競争が激しく、多くの会社が様々なプランを提供しています。
これにより、ユーザーは自分のニーズに最も合ったプランを自由に選ぶことができます。
例えば、データ通信量を重視するユーザーや、通話品質を優先するユーザーなど、異なるニーズに対応した多様なプランが揃っています。
また、各社が提供するキャンペーンや特典を利用することで、さらにお得に契約することが可能です。
プランやオプションが豊富
格安SIMは、基本的な通信プランだけでなく、豊富なオプションサービスも魅力の一つです。
例えば、データ通信量を一定以上使い切ってしまった場合でも、追加でデータを購入できるオプションや、海外旅行時に便利な海外ローミングオプションなどがあります。
さらに、各社によっては、通話定額やSMSオプション、あるいは特定のアプリを利用する際のデータ消費がカウントされない「カウントフリーオプション」など、ユーザーの使い方に合わせた多彩なオプションが提供されています。
店舗に行かずにオンラインで契約できる
格安SIMのもう一つの大きなメリットは、契約手続きが全てオンラインで完結する点です。
大手キャリアでは、契約やプラン変更のために店舗に足を運ばなければならない場合がありますが、格安SIMではその必要がありません。
自宅でスマートフォンやパソコンから手続きができるため、忙しい人でも簡単に契約を済ませることができます。
また、オンラインでの手続きが主流であるため、24時間いつでも好きな時間に契約やプラン変更が可能です。
実際に使っていて感じるデメリットと注意点
格安SIMを実際に使用する際に感じる可能性のある主なデメリットを紹介します。
格安SIMのデメリット
- MNOに比べると通信品質は劣ることが多い
- キャリアメールが使えなくなる場合がある
- 実店舗でのサポートが受けられない場合がある
- LINEのID検索が使えない場合がある
MNOに比べると通信品質は劣ることが多い
格安SIMは、大手キャリア(MNO: Mobile Network Operator)の回線を借りてサービスを提供しているため、通信品質が劣ることがあります。
特に、昼休みや夕方の通勤時間帯など、回線が混雑する時間帯には速度が遅くなることが多いです。
動画視聴や大容量のデータ通信を行う際には、ストレスを感じることがあるかもしれません。
また、地方や郊外などでは、格安SIMの通信エリアが限定される場合があり、都市部ほどの快適さを感じられないこともあります。
キャリアメールが使えなくなる場合がある
大手キャリアから格安SIMに乗り換える際に、注意が必要なのが「キャリアメール」です。
多くの格安SIMでは、キャリアメール(@docomo.ne.jp、@au.com、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)を引き継ぐことができません。
これにより、キャリアメールを使い続けたい方にとっては不便を感じることがあるでしょう。
ただし、代替手段として、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールを利用することができます。
フリーメールはスマートフォンやパソコンなど、どのデバイスからでも利用でき、格安SIMに乗り換えても影響がないため、キャリアメールにこだわらない方には十分な選択肢となります。
実店舗でのサポートが受けられない場合がある
格安SIMの運営会社は、多くの場合、実店舗を持たないか、非常に限られた数しか展開していません。
そのため、直接店舗でサポートを受けたい場合には不便を感じることがあります。
特に、スマートフォンの設定が苦手な方や、対面でのサポートを重視する方にとっては、大手キャリアに比べてサポートが手薄に感じられるでしょう。
ただし、多くの格安SIMは、オンラインでのチャットサポートや電話サポートを提供しており、困ったことがあれば即座に相談できる体制を整えています。
LINEのID検索が使えない場合がある
LINEをよく利用する方にとって、LINEの「ID検索」が使えないことがデメリットになる場合があります。
格安SIMの多くは、年齢認証が行えないため、LINEのID検索機能が制限されることがあります。
特に、新しく友達を追加する際に、ID検索が使えないと不便に感じることがあるでしょう。
ただし、QRコードやふるふる機能、電話番号での追加など、他の方法で友達を追加することは可能です。
そのため、ID検索が使えなくても、他の方法で十分に対応できます。
回線品質を基準に選ぶ方法(プロはここを確認しています)
格安SIMを選ぶ際には、まず回線品質が重要です。
どれだけ安いプランでも、通信が遅くては意味がありません。
選び方のチェックポイント
- どこの通信事業者の回線を使用しているか確認
- 使用している通信事業者が使える周波数と帯域幅を確認
- サービス提供エリアを確認
- 運用している基地局数とカバー率を確認
- 月額料金と使えるデータ容量を確認
- 利用上の好条件はないかを確認
- 超上級者編:回線利用者数を確認し混雑回避の参考にする
- 注意:回線速度データは参考程度にする
どこの通信事業者の回線を使用しているか確認
格安SIM(MVNO)は、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。
そのため、どのキャリアの回線を使用しているかを確認することは重要です。
例えば、ドコモ回線を利用している格安SIMであれば、ドコモの回線品質に依存するため、ドコモのエリアでの利用に強いです。
同様に、auやソフトバンクの回線を使用する格安SIMもあります。
使用している通信事業者が使える周波数と帯域幅を確認
回線の品質を左右するもう一つの要素が、使用される周波数と帯域幅です。
周波数が高いほど通信速度が速くなりますが、カバーできる範囲が狭くなります。
逆に、低周波数帯では広範囲をカバーできますが、通信速度は遅くなります。
多くの格安SIMは複数の周波数帯を利用しており、特に重要なのは主要な周波数帯を抑えているかどうかです。
また、帯域幅が広いほど、一度に多くのデータをやり取りできるため、快適な通信が可能です。
通信会社が使用できる 電波の周波数と帯域幅 |
||||
700MHz |
●利用可 20MHz |
●利用可 20MHz |
●利用可 20MHz |
●利用可 3MHz |
800MHz | ●利用可 30MHz |
●利用可 30MHz |
ー | ー |
900MHz | ー | ー | ●利用可 30MHz |
ー |
1.5GHz | ●利用可 30MHz |
●利用可 20MHz |
●利用可 20MHz |
ー |
1.7GHz | ●利用可 40MHz |
●利用可 40MHz |
●利用可 30MHz |
●利用可 80MHz |
2GHz | ●利用可 40MHz |
●利用可 40MHz |
●利用可 40MHz |
ー |
2.3GHz | ●利用可 40MHz |
ー | ー | ー |
2.5GHz | ▲※1 50MHz |
ー | ▲※2 30MHz |
ー |
3.4GHz | ー | ●利用可 40MHz |
●利用可 40MHz |
ー |
3.5GHz | ●利用可 40MHz |
●利用可 40MHz |
●利用可 40MHz |
ー |
3.7/4.5GHz | ●利用可 200MHz |
●利用可 200MHz |
●利用可 100MHz |
●利用可 100MHz |
28GHz | ●利用可 400MHz |
●利用可 400MHz |
●利用可 400MHz |
●利用可 400MHz |
参考携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース
※1:グループ企業のUQコミュニケーションズがモバイルWiMAX向けのデータ通信用に使用している帯域。auはCAで使用する場合がある。
※2:サブブランドのワイモバイルがAXGP向けのデータ通信用に使用している帯域。ソフトバンクはCAで使用する場合がある。
無線通信技術において、ミリ波、サブシックス、プラチナバンドの各帯域は、それぞれ異なる特徴を持っています。
スマホの周波数
- ミリ波:30GHz〜300GHz(日本では28GHzも含まれる)
- サブシックス:6GHz未満の周波数
- プラチナバンド:700MHz〜900MHz
ミリ波
ミリ波は、30GHzから300GHzの周波数帯を指します。(日本では28GHzもミリ波として扱われています)
この帯域は、非常に高速なデータ通信が可能で、5G技術で多く利用されています。
ただし、電波の到達距離が短く、障害物に弱いという欠点があります。そのため、都市部のような狭いエリアでの利用が一般的です。
サブシックス
サブシックスは、6GHz未満の周波数帯を指します。
5Gの主要な周波数帯としても利用されています。
この帯域は、広範囲をカバーできるため、建物内や郊外などでの利用に適しています。
ミリ波に比べて通信速度は遅いですが、電波のカバー範囲が広く、安定した通信が可能です。
プラチナバンド
プラチナバンドは、700MHzから900MHzの周波数帯を指します。
建物内や地下などの障害物に強く、広範囲に電波を届けられるのが特徴です。
この帯域は、主に音声通話や低速データ通信に利用されており、安定した通信環境を提供します。
特に地方や山間部での利用が多いです。
電波の帯域幅って何?
電波の帯域幅(Band Width)とは、データの通り道の幅のことを言います。
帯域幅はHz(ヘルツ)で表され、広い帯域幅はより多くのデータを高速に送受信することを可能にします。
これにより、動画のストリーミングやオンラインゲームなど、データ量が多い用途でも快適な通信が実現します。
現代の通信技術、特に5GやWi-Fi6では、広い帯域幅が不可欠であり、多くのデバイスが同時に高品質な通信を行うための基盤となっています。
ちなみに、4Gで使われている帯域幅と5Gで使われている帯域幅では10倍違うケースもあります。
4G:2GHz(帯域幅:40MHz)
5G:28GHz(帯域幅:400MHz)
サービス提供エリアを確認
格安SIMを選ぶ際には、サービス提供エリアも確認が必要です。
自分が主に利用するエリアが、対象となる回線のサービスエリアに入っているかどうかを確認しましょう。
エリア外では通信が不安定になったり、全く利用できない場合もあります。
都市部ではほとんどの格安SIMが問題なく使えますが、地方や山間部に住んでいる場合は、事前にエリアマップをチェックすることが特に重要です。
運用している基地局数と展開率を確認
基地局の数が多いほど、電波が届きやすく、安定した通信が可能になります。
逆に、基地局が少ないエリアでは、プラチナバンドの周波数を使っていたとしても通信が途切れやすくなります。
また、エリアカバー率が高いほど、地方でも安定した通信が期待できます。
基地局の数と展開率をしっかり確認することで、繋がりにくさを未然に防げます。
基地局数 | ||||
キャリア | ||||
基地局数 | 5G:51,968 4G:195,565 |
5G:30,899 4G:261,756 |
5G:65,366 4G:175,333 |
5G:21,593 4G:59,767 |
参考令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の調査結果の概要について
携帯電話・スマホは、セルラーフォン(Cellular Phone)とも言い、電波が届く範囲をセル(区画)ごとに区切ってエリア設計をします。
基盤展開率とは
電波がどの地域までカバーされているかを示す指標で、5Gの展開状況を評価する際に使われています。
日本全土を10km四方のメッシュに区切り、海上や無人地帯を除いたエリアで、5G専用の周波数を利用する基地局が設置されている範囲の割合を表します。
これはあくまで「地理的なエリアの広さ」を基準としているため、実際の住民の数は考慮されません。
5G専用周波数帯の基地局展開計画で示された「認定から5年後の基盤展開率」は、ドコモが97.0%、KDDIが93.2%、ソフトバンクが64.0%、楽天モバイルが56.1%となっています。
人口カバー率とは
2014年に「全国を500m四方に区切り、その半分以上がカバーされていればそのエリアは100%カバーとして扱い、半分未満であれば0%とする」という基準が事実上の標準として採用され、各社がこの基準を用いています。
5G以前は、主に人口カバー率が重要な指標とされていました。
「人口カバー率」は、2010年代初期までは「国内の総人口に対して、携帯電話が利用可能な市町村役場のある市町村の人口の割合」と定義されていました。
極端な例として、市町村合併などで広大な面積を持つ市町村があっても、役場がサービスエリア内に入っていれば、その市町村の人口全体がカバー率に含まれることになっていました。
そのため、実際の人口カバー率を達成するために、役場周辺の電波対策を優先的に進めるといった、本質的ではない対応が取られていたこともあります。
月額料金と使えるデータ容量を確認
格安SIMを選ぶ際には、月額料金とデータ容量のバランスも重要です。
自分の利用パターンに合ったプランを選ぶことで、無駄なコストを抑えることができます。
特に、毎月どれくらいデータ通信を行うのかを事前に把握しておくと良いでしょう。
また、プランによっては余ったデータ容量を翌月に繰り越せるものもあります。
これにより、無駄なくデータ通信を行うことができます。
利用上の好条件はないかを確認
格安SIMには、通常のプランに加えて、利用者にとって便利な特典やサービスが付いている場合があります。
例えば、特定のSNSや動画サービスのデータ通信が無料になるプランなどがあります。
これらの特典をうまく活用することで、通信費をさらに抑えることができます。
また、家族で複数回線を契約する場合は、割引が適用されるプランもありますので、そうした好条件を見逃さないようにしましょう。
超上級者編:回線利用者数を確認し混雑回避の参考にする
回線が混雑するキャリアを避けたい場合は、回線利用者数の多さを確認することが有効です。
一般的に、利用者が多い回線は混雑しやすく、通信速度が低下する可能性が高いと考えられますが、ユーザー数(トラフィック量)が多くなれば、基本的には設備も増強されます。
このため、ユーザーが多ければ回線は混雑する傾向にありますが、必ずしもその限りではありません。
特に移動体は、さまざまな要因が複雑に絡み合っているため、他の要素と併せて総合的に判断することが重要です。
MMD研究所が発表している調査データが参考になります。
注意!回線速度データは参考程度に留めよう
格安SIMを選ぶ際に、回線速度のデータを参考にする方も多いでしょう。
しかし、回線速度の数値だけに頼るのは注意が必要です。
速度は時間帯や場所によって大きく変動するため、常に同じ速度が出るとは限りません。
各人の端末の性能や、場所や時間帯など様々です。
また、回線速度が速くても、接続の安定性が低ければ快適に利用できません。
(まとめ)格安SIMは安さだけではなく回線品質もチェックしよう!
格安SIMの選び方においては、回線の品質や料金、サポート体制を総合的に判断することが重要です。自分の利用スタイルに合ったプランを選び、通信費を賢く節約しましょう。
選び方のチェックポイント
- どこの通信事業者の回線を使用しているか確認
- 使用している通信事業者が使える周波数と帯域幅を確認
- サービス提供エリアを確認
- 運用している基地局数とカバー率を確認
- 月額料金と使えるデータ容量を確認
- 利用上の好条件はないかを確認
- 超上級者編:回線利用者数を確認し混雑回避の参考にする
- 注意:回線速度データは参考程度にする
おすすめ格安SIM厳選6プラン
- ahamo(ドコモ回線)
- irumo(ドコモ回線)
- mineo(au・ドコモ・ソフトバンク回線)
- IIJmio(ドコモ・au回線)
- 楽天モバイル(楽天・一部au回線)
- J:COMモバイル(au回線)
記事の誤字脱字や内容に関するご指摘、ご意見、お問い合わせはこちらからお願いいたします。
参考リンク
- 総務省- MVNOガイドライン:https://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eidsystem/mvmo01.html
- 消費者庁 - 格安スマホ”のトラブル-料金だけではなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう:https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170413_1.html
- 総務省:情報通信統計データベース 情報通信白書令和6年度版
- 消費者庁:比較広告ガイドラインのポイント