ネット回線といえば、光回線やモバイル回線が主流ですが、「CATV回線」も根強い人気があります。
特に、テレビとのセット契約やリーズナブルな料金プランが魅力です。
この記事では、CATV回線の仕組みからメリット・デメリット、どんな人に向いているのかまで、わかりやすく解説していきます。
おすすめのCATVインターネット回線はこちらからどうぞ。

この記事でわかること
- CATV(ケーブルテレビ)回線の基本的な仕組み
- CATVのデメリットや注意点
- どんな人にCATV回線がおすすめか、または不向きか
- おすすめのCATV事業者 など
CATV(ケーブルテレビ)のインターネット回線ってどう?仕組みを解説

テレビ用の同軸ケーブルを使ってネットに接続する仕組み

テレビ放送用の同軸ケーブル
CATVのインターネット回線は、もともとテレビ放送を受信するために使われている「同軸ケーブル」を活用して、インターネット通信を行う仕組みです。
このため、すでにケーブルテレビを利用している家庭では、大規模な配線工事をせずにインターネットを導入することができます。
光ファイバーに比べると通信速度は劣る場合がありますが、一般的な家庭でのインターネット利用には十分な速度を確保できます。
インターネット回線の基本構造を簡単にしたい人には、CATVインターネットは非常におすすめです。
CATV専用のモデムを使って通信を行う

画像出典:J:COM NET公式サイト
光回線では光信号をデジタル信号に変換するためのONU(Optical Network Unit)という装置を使用しますが、
CATVインターネットを利用する際には、ケーブルモデムという専用の装置を設置します。
このモデムは、同軸ケーブルで受信した信号をデジタル信号に変換してパソコンやルーターに伝える役割を果たします。
背面には同軸ケーブルを接続するための端子があります。

エリアごとのCATV事業者が提供している
CATVインターネットは、全国一律のサービスではなく、地域ごとに事業者が異なります。
たとえば、J:COM(ジェイコム)は全国的に展開していますが、イッツコムなど地方に密着したローカル企業もあります。
それぞれの事業者によって料金体系や提供プラン、サポート体制に違いがあります。
自分の住んでいる地域でどのCATV事業者が利用できるかを事前に確認することが大切です。
FTTNとは?光回線との違いやCATV回線との関係

FTTHとFTTNの構成比較
FTTN(Fiber to the Node)とは、インターネットの幹線部分に光ファイバーを使い、地域内のノード(信号変換装置)まで高速通信を届けたうえで、そこから各家庭までは既存の同軸ケーブルや電話線を使って接続する方式です。
つまり、「途中まで光ファイバー、残りは既存のケーブル」というハイブリッド構成がFTTNの主な特徴です。
この方式では、ノードに設置された装置で光信号を電気信号に変換し、各家庭までデータを届けるため、一般的な光回線(FTTH)よりも設備コストを抑えつつ、高速な通信を実現できます。
実は、CATV(ケーブルテレビ)のインターネット接続は、このFTTN方式を採用しているケースが多いです。

種別 | 回線の構成 |
FTTH (Fiber to the Home) | 一般的な光回線の方式 回線事業者の収容局から、Home(自宅)まで全区間光回線 |
FTTN (Fiber to the Node) | ノードまでは光回線の方式 回線事業者の収容局から、Node(信号変換装置)までは光回線。 ノードから自宅までは同軸ケーブルやメタルケーブルなどを使用 |
CATV回線がおすすめされる理由とメリットは?

CATVのメリット
- セット割引で通信費を節約できる
- 光回線が使えない地域でも利用できる
- 工事が簡単で導入ハードルが低い
- 光回線よりも月額料金が安いプランがある
- 地域密着のサポートが受けられる
- J:COMやイッツコムなど大手サービスも多い
セット割引で通信費を節約できる
ケーブルテレビとインターネットをセットで契約すると、月額料金が数百円から数千円お得になる場合があります。
特にテレビ視聴が生活の一部となっている世帯にとっては、料金面の恩恵が大きいです。
また、割引だけでなく、セット契約者向けの特典やキャンペーンも充実しています。

光回線が使えない地域でも利用できる
地方や山間部など、光ファイバーが敷設されていない地域でもCATVなら対応可能な場合があります。
すでにケーブルテレビのインフラが整っている場所では、比較的簡単に導入できます。
これにより、都市部だけでなく地方在住者にも安定したインターネット環境を提供しています。

工事が簡単で導入ハードルが低い
CATV回線は、既存のテレビ用ケーブルを利用するため、新たな配線工事が必要ない場合が多いです。
そのため、導入までの時間も短く、初期費用を抑えることができます。
工事が複雑な光回線に比べて、手軽に始められるのが魅力です。
光回線よりも月額料金が安いプランがある
CATVには、光回線に比べて月額料金が安めに設定されているプランが多くあります。
特に通信速度にこだわらないユーザーや、動画視聴や検索がメインの人にとっては、コストパフォーマンスが良好です。
家族全員でインターネットを利用する家庭よりも、一人暮らしやシンプルなネット利用におすすめです。

地域密着のサポートが受けられる
CATV事業者は地域密着型の運営が多く、地元に根ざした迅速で丁寧なサポートが期待できます。
トラブル時の対応が早く、電話や訪問サポートにも柔軟に対応してくれることが多いです。
機械が苦手な人や高齢者にもやさしい体制が整っているのが魅力です。

J:COMやイッツコムなど大手サービスも多い
CATVの回線を提供する事業者には、全国展開しているJ:COM(ジェイコム)やイッツコムなど大手企業も含まれます。
大手である分、通信設備が整っており、サービスの信頼性が高いのが特徴です。
料金プランも豊富で、自分に合った内容を選びやすい点もメリットです。
また、サポート体制や契約特典も大手ならではの安心感があります。
CATV回線のデメリットや注意点はどんな所?

CATVのデメリット
- 利用者が多い時間帯は速度が落ちやすい
- アップロード速度が遅めなことが多い
- 光回線よりも通信速度に限界がある
- 契約できるエリアが限られている
利用者が多い時間帯は速度が落ちやすい
CATVは回線を近隣住民と共有しているため、夜間や週末など利用が集中する時間帯には通信速度が低下する傾向があります。
動画視聴やオンラインゲームをする際に、速度の変化が気になるという声もあります。
常に安定した高速通信を求める人には、他の回線を検討するのも一つの選択肢です。
ただし、最近では速度向上のための設備強化が進められている事業者もあります。
アップロード速度が遅めなことが多い
CATVの回線はダウンロード(受信)には強い反面、アップロード(送信)速度が遅めです。
CATVは非対称型の通信方式を採用して、帯域の多くをダウンロード用に割り当てており、アップロードに割ける帯域が限られているためです。
割合的には、帯域の約80〜90%が下り用に割り当てられており、上りには10〜20%程度しか確保されていないのが一般的です。
これは、テレビ放送や動画視聴など受信主体の利用が前提だったためです。
これは動画や画像を大量にアップロードする作業を頻繁に行う人には不向きな点といえます。
テレワークで大容量ファイルをやり取りする人や、YouTube配信などにはやや不便さを感じるかもしれません。
そういった使い方が多い人は、光回線の方が適している可能性があります。
光回線よりも通信速度に限界がある
CATVは光回線に比べると最大通信速度が劣るというデメリットがあります。
光回線が最大1Gbps以上を提供しているのに対し、CATVは事業者によって300Mbps前後が上限のこともあります。
日常使いでは問題ないケースがほとんどですが、大容量のデータ通信が必要なユーザーには不向きです。

契約できるエリアが限られている
CATVは、光回線と異なり全国対応ではなく、事業者のサービス提供エリア内に住んでいる必要があります。
たとえば、J:COMやイッツコムなどの大手でも、特定の市区町村にしか対応していないケースがあります。
引っ越しや転居を予定している場合、エリア外になる可能性もあるため注意が必要です。

おすすめのCATV(ケーブルテレビ)回線
ここからは、CATVインターネットを検討している方に向けて、特におすすめの2つのサービスをご紹介します。

J:COM NET|全国展開&セット割でお得な大手CATV
提供エリア | 日本全国 ※住所や物件によっては利用できない場合があります。 詳細は必ずJCOM公式HPをご確認ください |
開通までの期間目安 | 光1G・5G・10Gコース:約1カ月後 J:COM NET 1Gコース:最短4日〜(同軸ケーブル利用) |
最大通信速度 | 1G〜10Gbps(プランにより異なる) |
セット割引 | auスマホと自宅の光回線セットで最大1,100円/月の割引 UQモバイル指定プランとセットで最大1,100円/月の割引 J:COMサービスとセットで、J:COMモバイルのデータ容量増量 |
開通までのWiFi貸出 | なし |
初期費用 | 手数料:3,080~3,300円(税込) 基本工事費:47,520円(税込) |
月額料金 | 5,258円〜7,568円(税込)(プランにより異なる) |
キャッシュバック | なし |
契約縛り期間 | 縛りなし |
契約解除料 | プランにより異なる |
運営会社 | JCOM株式会社 |
J:COM NET(ジェイコムネット)は、北海道から九州まで全国15都府県に展開する国内最大級のCATV事業者で、都市部を中心に幅広くサービスを提供しており、導入のしやすさが特長です。
通信速度に応じたプランが複数あり、戸建て向けでは320Mbpsが月額約5,060円、1Gbpsが5,610円、最大10Gbpsでも6,710円(税込)とリーズナブルです。
さらに、テレビ・電話・スマホとのセット契約で割引も受けられます。
通信方式は、同軸ケーブルによるCATV回線と光ファイバー回線があり、光回線なら最大10Gbpsの高速通信が可能ですが、同軸の場合はアップロード速度にやや注意が必要です。
サポート体制も充実しており、24時間の電話・WEB対応に加え訪問サポートも完備されています。

参考J:COM NETってどんな回線?メリット・デメリットから口コミ・評判まで全て解説!
イッツコム|東急沿線エリア限定の地域密着型サービス
提供エリア | 東京・神奈川・横浜の一部エリア |
開通までの期間目安 | 最短4日 |
最大通信速度 | 30Mbps〜2Gbps (プランにより異なる) |
セット割引 | 固定電話「ケーブルプラス電話(1,463円/月)」利用でauスマホセット割有り。 最大1,100円 |
初期費用 | 事務手数料:3,300円 工事費等別 |
月額料金 | 戸建て:5,060円〜 集合住宅:3,520円〜 (プランにより異なる) |
キャッシュバック | なし |
契約縛り期間 | 2年(プランにより異なる) |
契約解除料 | 1カ月分の月額利用料相当額(プランにより異なる) |
運営会社 | イッツ コミュニケーションズ株式会社 |
イッツコム(itscom)は、東京・神奈川の東急線沿線エリアに限定して提供される地域密着型のCATVインターネットサービスで、対応エリアは狭いものの、そのぶん高品質な通信と手厚いサポートに定評があります。
提供エリアは、東京都の渋谷区・世田谷区・目黒区・大田区・町田市、神奈川県の横浜市・川崎市の一部に限られており、対象地域では安定した接続環境が整っています。
戸建て向けには最大2Gbpsの光回線プラン(月額6,820円)をはじめ、1Gbps・300Mbpsと幅広いプランが用意されており、集合住宅向けでは最大600Mbpsで月額4,730円とコストパフォーマンスにも優れています。
通信面では、光ファイバーを使った「イッツコムひかり」により高速・安定した接続が可能で、2024年からは一部地域で10Gbpsの超高速プランもスタートしています。

参考東急電鉄沿線でサービス提供中の「イッツコムひかり」とは?東日本全域で使える「かっとび光」との違いは?
CATVのネット回線をおすすめできる人・できない人

テレビとセット契約を考えている人に最適
テレビ視聴が生活の一部になっている人や、CS・BSなど多チャンネル放送を楽しみたい人にはCATVが最適です。
インターネットとテレビをまとめて契約することで手続きや支払いが簡素化されます。
契約のわかりやすさも、初心者にはうれしいポイントです。
家族全員でテレビとネットを楽しむなら、セット契約が断然お得です。
コストを抑えたい人にはおすすめ
毎月の通信費をできるだけ安くしたい人にはCATVインターネットがぴったりです。
セット契約を利用すればさらにお得で、生活費全体の節約にもつながります。
使い方次第で高品質なサービスを安価に受けられるのが魅力です。
光回線よりも料金にこだわる方にとっては有力な候補です。
ネット速度を重視する人には向いていない
高速通信が必須な用途(テレワーク、大容量ファイル送信、4K動画編集など)を行う人には、CATV回線はやや物足りない可能性があります。
速度低下の可能性がある時間帯や、アップロードの遅さがネックになります。
常に最大速度を必要とするなら、光回線を検討しましょう。
どの回線が自分の用途に合っているかを見極めることが重要です。
テレワーク中心の人は慎重に検討を
在宅勤務が主な人やオンライン会議が多い人にとっては、通信の安定性と速度が非常に重要です。
CATV回線は場所や時間帯によって速度が低下する可能性があるため、仕事に支障が出るケースもあります。
信頼性の高い回線を求める人は、CATVと光回線を比較して慎重に選びましょう。
仕事に支障が出るようなリスクは極力避けるべきです。
参考テレワークにおすすめの光回線!速度や選び方について解説します
CATV(ケーブルテレビ)回線のよくある質問と回答

CATV(ケーブルテレビ)回線のよくある質問と回答
ケーブルテレビ回線に関してのよくある質問とその答えを紹介します。
CATVと他のネット回線との違いや特徴を理解することで、自分に合ったサービス選びがしやすくなります。

ケーブルテレビはインターネットが使えますか?
ケーブルテレビ回線を使ってインターネットを利用することは可能です。
多くのケーブルテレビ会社は、テレビ放送のサービスに加えてインターネット接続サービスも提供しています。
これは「CATVインターネット」と呼ばれることが多く、テレビ用の同軸ケーブルを使ってインターネット信号も送受信する仕組みです。
ただし、通信品質や通信速度は提供会社によって異なるため、契約前に確認が必要です。

ケーブルテレビと光回線ではどちらがおすすめ?
基本的には光回線の方が通信速度や安定性の面で優れています。
光回線は、光ファイバーを使ってインターネットの信号を届ける方式で、非常に高速かつ安定した通信が可能です。
動画の視聴やオンラインゲーム、テレワークなど、安定性を求める用途には特に向いています。
一方、ケーブルテレビ回線は同軸ケーブルを使うため、回線を共有する集合住宅などでは速度が遅くなる場合があります。
特に夜間や休日などの混雑時には通信速度が落ちやすい傾向があります。
とはいえ、ケーブルテレビはテレビとインターネットのセット契約が可能な点や、工事が比較的簡単なケースもあり、ライトユーザーには十分な選択肢になりえます。

ケーブルテレビの弱点は何ですか?
ケーブルテレビ回線の主な弱点は「通信速度の不安定さ」と「上り速度の遅さ」です。
ケーブルテレビは「ベストエフォート型」と呼ばれ、最大速度は理論値であり、実際の速度は利用環境や時間帯によって変わります。
特に夜間や休日などの利用者が多い時間帯には、速度が遅くなることがあります。
また、上り(アップロード)速度が遅い傾向があり、ビデオ会議や動画のアップロードには不向きなケースもあります。
これに対し、光回線は上り・下りともに高速で安定しているため、快適に使いやすいです。
さらに、ケーブルテレビインターネットは提供エリアが限られている場合があり、J:COMなどの全国展開をしている事業者除き、引っ越し先で同じサービスが利用できないリスクもあります。

ケーブルテレビとホームルーターはどちらがおすすめ?
使い方や環境によって異なりますが、固定回線を重視するならケーブルテレビ、手軽さを求めるならホームルーターがおすすめです。
ホームルーターは、電源を入れるだけでインターネットが使える据え置き型のルーターで、工事が不要なのが大きなメリットです。
引っ越しが多い人や、短期間だけインターネットを使いたい人には便利です。
一方、ケーブルテレビ回線は、安定した通信を求める場合に有利です。
テレビとのセット割引も活用できることが多いため、家庭用の常設インターネット回線として利用するのに向いています。
ただし、どちらも通信速度や対応エリアには限界があるため、自分の住んでいる場所や利用目的に合わせて比較することが重要です。

参考最強の無制限ホームルーター(置くだけWi-Fi)はコレ!現役通信技術者が選ぶ最新おすすめランキング
(まとめ)CATV回線はテレビとのセット利用でコスパが高い

最後に要点をまとめます。
まとめ
- CATV回線はテレビとのセット利用でコスパが高い
- 光回線が使えない地域でも利用できる柔軟性がある
- 工事が簡単で、導入しやすい点が大きな魅力
- 通信速度や安定性には注意が必要(特にテレワーク中心の人)
- 通信費を抑えたい人やテレビ中心の家庭には最適
- 自分の用途や地域環境に応じて、CATVか光回線かを慎重に選ぶことが重要
参考リンク
総務省 ケーブルテレビ政策ポータルサイト:https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/catv_portal.html