光回線を解約するときには、違約金が発生する場合があります。
金額が大きくなることもあるので、事前にいくらくらい必要なのか確かめておくのがおすすめです。
また、「光回線の解約で発生した違約金が高すぎる!内訳は何?」という方もいると思いますので、是非参考にしてみてください。
できるだけ違約金の負担を少なくする方法も紹介しているので、解約前に確認してみてください
2022年7月1日に電気通信事業法が改正、違約金負担が減った?
2022年7月1日に電気通信事業法が改正され、契約期間満了前の解約でも、月額料金を超える違約金の請求をしてはいけないルールになりました。
つまり、どんなに高い場合でも、1ヶ月分の基本料金を超えた違約金が発生する事がなくなりました。
ただし、この改正は遡及して(過去にさかのぼって)適用される物ではありません。
2022年7月1日以降に契約を結んだ契約者が対象です。
解約時に請求できる金額の制限(2022年7月施行)
- 月額利用料を超える違約金の請求
- 契約期間満了後の工事費残債・撤去費の請求
- 契約解除手数料の請求 など
総務省:消費者保ルールより
途中で解約をする場合は解約時に、残債を一括で支払います。
光回線の違約金とは?解約時に発生する可能性がある4種類の料金
違約金とは、予め決められた2年や3年などの契約期間満了前に解約をする場合に、サービス提供事業者などに収める料金の事を言います。
なお、更新月で解約をする場合は、違約金支払いの対象になりません。
光回線を解約する際にかかる可能性がある料金は以下の4種類です
解約時に発生する可能性がある料金
- 光回線事業者の違約金
- プロバイダーの違約金
- 工事費の残債
- レンタル機器が紛失・故障した場合の料金
それぞれの料金の詳しい解説を順番にしていきます。
光回線事業者(NTT・KDDIなど)の違約金
まずは、回線事業者からの違約金です。
回線事業者は、光回線を提供している会社のことです。
たとえば、以下のような会社があります。
回線事業者の例
- NTT東日本/西日本(フレッツ光)
- eo光
- BBIQ光
- J:COM NET
- NURO光
- auひかり
- ソフトバンク光 など
もしも現在利用している回線事業者がわからない場合には、契約書類を確認してみましょう。
違約金は回線事業者ごとに変わってきます。
NTT東日本であれば、「にねん割」に加入している場合に違約金が発生します。2年ごとに自動更新されるしくみになっているので、いつが更新月なのかをマイページなどで確認することをおすすめします。
違約金は戸建ての場合に10,450円、マンションなど集合住宅の場合には1,650円かかります。
eo光のホームタイプ・メゾンタイプの場合には、即割に加入しているかどうかで違約金が変わります。
即割に加入しているのであれば、利用期間が1年未満で12,000円、1年以上2年未満で6,000円です。
即割に加入していないのであれば、利用期間が1年未満の場合に12,000円がかかります。
マンションタイプの場合には、1年未満の解約で「通常時初期費用」から「キャンペーン適用時の初期費用」を引いた額を支払うことになります。
プロバイダーの違約金
そのほか、プロバイダーの違約金も必要になる場合があります。
プロバイダーはたくさんの会社があります。
以下がその例です。
プロバイダーの例
- OCN
- BIGLOBE
- So-net
- @nifty
- Yahoo! BB
- ぷらら など
光回線を利用している場合には、回線事業者に加えてプロバイダーに加入することがほとんど。
こちらも契約書などを確認して確かめてみるとよいでしょう。
ちなみに、「ドコモ光」や「ソフトバンク光」などのように光コラボレーションを提供しているプロバイダーもあります。
その場合には回線事業者とプロバイダーがセットになっている点に注意しましょう。
プロバイダーの違約金として、@niftyとBIGLOBEを例に紹介します。
@niftyの場合、2年割プランに加入しているのであれば違約金が発生することがあります。
契約更新期間以外に解約をした場合には、3,000円が必要です。
BIGLOBEは、「BIGLOBE光パックNeo with フレッツ」に加入している方を例にします。
こちらの場合、24ヶ月以内の解約であれば5,000円がかかります。
もちろんこれはあくまでも例です。
プロバイダーの会員ページから違約金や契約期間について確認できる場合が多いので、必ず確認してみてください。
(※紹介している事例は律改正前の2022年7月1日以前に契約した場合です。)
工事費の残債
そのほか、工事費の残債が残っている場合にはそのお金も支払う必要があります。
NTT東日本(フレッツ光)の場合、光回線を開通させるために工事をしています。
その工事費を分割で支払っている場合、解約時までに支払いが終わっていないのであれば、残りの工事費の支払いも必要です。
分割の場合には24回や36回払いになっているので、解約のタイミングによっては支払いが終わっていない可能性があります。
ちなみに、解約時には残りの工事費を一括で支払うことになる場合がほとんどです。
残債は回線事業者の会員ページから確認できます。
レンタル機器の紛失や故障にかかわる費用
そのほか、ルーターなどの機器をレンタルしている場合にはそちらの返却も必要です。
NTTなど回線事業者から提供されているもの(ONUやホームゲートウェイなど)と、プロバイダーから提供されているもの(Wi-Fiルーター)などが当てはまります。
解約時に返却先や期限の指定があるので、その期限までに必ず返却しましょう。
もしも期限を過ぎてしまうと、別途料金がかかってしまうことがあるので注意が必要です。
たとえば、GMOとくとくBB×ドコモ光では、レンタル品のWi-Fiルーターの返却は解約月の翌月20日までとされています。
それを過ぎてしまうと補償料として10,000円が請求されてします。
また、万が一故障や紛失をしている場合には、必ず回線事業者・プロバイダーに相談しましょう。
実費を支払うことになる場合がほとんどです。
光回線の違約金を最小限にする方法3選
数万円単位の金額がかかる場合もあるでしょう
そこで、光回線の解約にかかる費用のうち、違約金を安くおさえる方法を3つ紹介します
違約金を最小限にする方法3選
- 契約更新月・契約満了に合わせて解約する
- 違約金を負担してくれる会社に乗り換える
- 乗り換え先のキャッシュバックを利用する
契約更新月・契約満了に合わせて解約する
一番おすすめの方法は、更新月や契約満了月に解約することです。
そうすれば、違約金はかかりません。
工事費の残債のみ負担すればよい場合も多いため、確実に料金を抑えられます。
更新月や契約満了月は、回線事業者やプロバイダーの会員ページを確認してみてください。
同じ2年縛りのプランでも、更新月の扱いが違うこともあります。
もしも更新月や契約満了月が近い場合には、そこまで待った方がお得かどうか検討することをおすすめします。
仮に違約金が20,000円で月々の料金が5,000円、更新月が2ヶ月後としましょう。
この場合には、今違約金20,000円を払うより、2ヶ月継続して月額料金10,000円を払う方がお得です。
更新や契約満了月まで待つ方がお得かどうか、ぜひ計算してみてください。
違約金を負担してくれる会社に乗り換える
「この間契約更新したばかりだった」「今すぐに解約したい」という場合でも、違約金負担をおさえる方法があります。
それは、違約金を負担してくれる会社に乗り換えることです。
一部の会社では、乗り換え時の違約金を一定額まで負担してくれることがあります。
違約金負担は、光回線への乗り換えだけでなく、WiMAXなどのモバイルインターネット回線でも実施されています。
たとえば、Broad WiMAXでは最大40,000円の違約金負担を実施中です。
違約金がこの金額内で収まる場合には、違約金をBroad WiMAXが肩代わりしてくれます。
もちろん、違約金負担をしてもらうためには条件を満たす必要があります。
解約時に別途かかる工事費の残債などは負担してもらえないことが多いので、注意が必要です。
乗り換え先のキャッシュバックを利用する
そのほか、ほかのインターネット回線に新規契約するのも一つの方法です。
乗り換え先のキャンペーンで新規申し込み者にキャッシュバックが適用されることがあります。
そのキャッシュバック金額を違約金にあてることで、違約金負担を軽くできます。
この方法では、キャッシュバック金額の大きい代理店を選ぶのがおすすめです。
実は同じインターネット回線でも、代理店によってキャッシュバック金額が変わります。
キャッシュバック金額とキャッシュバック適用条件を確認し、バランスのよいところを選ぶとよいでしょう。
光回線の解約時・違約金の注意点
ここまで光回線の解約・違約金について紹介してきました。
お得な方法まで確認したところで、どんな方法で解約しようか検討できたでしょうか。
解約前のチェックリストとして活用してください。
解約月の料金は日割りにならない場合が多い
はじめに気をつけておきたいのが、解約月の料金です。
ほとんどの場合、解約月の料金は日割りになりません。
そのため、できるだけ月末まで利用するのがおすすめです。
引っ越しの場合には、解約以外の方法も検討
また、引っ越しで解約を検討している場合には解約以外の方法も検討してからにしましょう。
基本的に、引っ越し先で今のインターネットが使えない限りは違約金が発生します。
しかし、今のインターネット回線をそのまま引っ越し先で利用する場合には、違約金がかからないことがほとんどです。
「引っ越すから解約」と安易に考えずに、引っ越し先で使うことも選択肢に入れながら検討するのがおすすめです。
違約金負担・キャッシュバックを利用する場合には、立て替えが必要
違約金の負担を減らすために、違約金負担の会社やキャッシュバックを利用する場合、実際に入金されるタイミングを確認しておくのがおすすめです。
多くの場合には、キャンペーン等の入金よりも違約金支払いのほうが先です。
違約金をあらかじめ立て替えられるように準備をしておくとよいでしょう。
そして、乗り換えの場合には乗り換え先の事務手数料を支払う必要もあるかもしれません。
あらかじめ予算を用意しておくと安心です。
また、開通工事費の残債や、機器購入代金の残債は、違約金負担の対象に含まれない場合もあるので事前に確認をするようにしてください。
光回線・プロバイダー両方の解約を忘れずに
そして、回線事業者とプロバイダーの両方を解約するようにしましょう。
はじめにも紹介したように、光コラボレーションの場合を除いて、回線事業者とプロバイダーの両社に解約の連絡が必要です。
必ず両社の手続きを終えるようにし、「解約したつもりが、解約できなかった」という状態にならないように注意しましょう。
まずはプロバイダーがどの会社かを確認するのがおすすめです。
プロバイダーがわかったら、会員ページにアクセスしてプランを確認します。
光コラボレーションの場合には、プロバイダーの解約だけで済むので、そのまま解約手続きへと移りましょう。
光コラボレーションでない場合には、回線事業者への連絡も必要です。
光回線の解約と違約金にまつわるQ&A
参考にしてください
最低○ヶ月契約はどのような仕組みですか?違約金は発生する?
光回線事業者・プロバイダーによっては、最低利用期間を設けている場合があります。
この場合には、基本的に最低利用期間中は解約すると違約金がかかります。
たとえば、最低利用期間が12ヶ月となっている場合には、10ヶ月で解約したら違約金がかかります。
しかし、決められた最低利用期間を過ぎてしまえば違約金は発生しません。
最低利用期間が12ヶ月の場合には、13ヶ月目以降に解約すれば違約金がかかりません。
違約金がかからなければ、解約時にお金はかかりませんか?
違約金がかからなくても、工事費の残債がかかる場合があります。
また、ルーターなどを紛失・故障させてしまった場合にも別途料金がかかります。
「違約金がなければお金はかからない」と考えずに、ほかに料金がかからないかを確認することをおすすめします。
違約金を確認するときの注意点はありますか?
違約金を確認するときは、必ず契約時の書類や会員ページを参照しましょう。
基本的に違約金は、契約時に定められた料金がかかります。
最近は違約金が安くなっている場合もありますが、その料金があなたの契約にも当てはまるとは限りません。
必ず会員ページで違約金を確認しましょう。
不安な場合や会員ページで探せない場合には、問い合わせてみるのが確実です。
違約金のない会社はありますか?
最近では、違約金の発生しない光回線のプランも登場しています。
月額料金は高くなってしまうものの、いつでも解約できるのがメリットです。
たとえば、以下の会社では違約金のないプランを提供しています。
- enひかり
- DTI光
- ぷらら光
- excite光 など
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また、光回線にこだわらないのであれば、モバイルインターネット回線でも違約金なしプラン(契約期間縛りなしプラン)が提供されています。
WiMAXプロバイダーでは、契約期間の縛り無しの会社も多くおすすめです。
- UQ WiMAX
- Broad WiMAX
- BIGLOBE WiMAX など
これらの会社で縛りなしプランを選べば、「更新時期に解約するのを忘れそう」「違約金を払うのは嫌だ」という方でも安心です。
光回線以外で、おすすめのネット回線はありますか?
光回線以外でインターネットを使いたい場合には、WiMAXがおすすめです。
WiMAXは、無線(モバイル回線)でインターネットが利用できるものです。
そのため、回線工事費や面倒な工事スケジュールの調整がありません。(利用に必要な端末購入費用は発生します。)
また、光回線からの乗り換えで違約金を負担してくれる会社や、新規契約でキャッシュバックを実施している会社もあります。
(まとめ)解約時に発生する可能性がある4種類の料金
最後に要点をまとめます。
解約時に発生する可能性がある料金
- 光回線事業者の違約金
- プロバイダーの違約金
- 工事費の残債
- レンタル機器が紛失・故障した場合の料金
まとめ
- 光回線を解約するときには、回線事業者とプロバイダーに解約の連絡が必要
- 違約金負担を減らす場合には、更新月に解約するか他社のキャンペーンを利用
- 金額や解約時期を見越して計画を立てておくと安心
- 違約金を確認するときは、必ず契約時の書類や会員ページを参照しましょう
参考サイト
総務省 電気通信消費者情報コーナー 消費者保ルール:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/shohi.htm
ソフトバンク 2022年7月1日の電気通信事業法改正にともなう各種改定について:https://www.softbank.jp/internet/cancellation-fee