ダークファイバーとは、使用されていない余剰の光ファイバーのことを指します。
この記事では、通信業界で約20年の経験を持つネットワークエンジニアが、ダークファイバーと、関連するネットワーク技術について分かりやすく解説しています。
ダークサイドっぽくて怪しい雰囲気がしますね
わかりやすく解説しますので、是非覚えてくださいね
光回線のダークファイバーとは?わかりやすく解説
冒頭で紹介しましたが、ダークファイバーを簡単に説明すると、回線事業者で光ファイバーを敷設したけど、使用していない余剰光ファイバーのことをダークファイバーと言います。
使用していないため、暗い(DRAK:ダーク)という表現になっています。
逆に通信事業者側で使用している、運用状態の光ファイバーの事は、ライトファイバー(LIGHT:ライト)と言います。
このダークファイバーは、普段使用しないのも勿体ないので、他事業者に有償で貸し出したりしています。
以下の図では、NTTダークファイバーの構成イメージを簡単に表しました。(詳細な設備構成は省略しています)
最寄りNTT局〜対象物件(お客様宅)まで敷設された光ファイバーがダークファイバーという事になります。
NTT局舎にはコロケーション設備といって、各通信会社のネットワークに接続するための設備も置かれています。
ダークファイバーと言えば、NTT回線の事を指す場合が多いですが、正確にはNTTだけではなく回線事業者が持つ余剰光ファイバー全般の事を指します。
それに自社で使わないなら、他社にレンタルでもしないと非常にもったないですね
ダークファイバーを契約するには?
基本的には、通信事業を営む企業への貸出がメインになるBtoBのサービスになりますので、個人では契約できない事がほとんどです。
主な使途としては、移動体通信事業者が通信基地局のネットワークに使用したり、光ファイバーを自社で保有しない会社が、自社のブランディングでインターネットサービスを提供する通信事業者の足回り回線として利用されます。
有名なところでは、NURO光がNTTのダークファイバーを使用してインターネットサービスを展開しています。
個人で契約できる物もありますが、一般的な使い方をするのであれば通常のFTTHで十分だと言えます。
参考ctc(中部テレコミュニケーション)のダークファイバー貸出概要
メタル回線の余剰心線(芯線)はドライカッパと言う
余剰光ファイバーの場合は「ダークファイバー」と言いますが、アナログ電話で使用するメタル回線は「ドライカッパ」と言います。
使用していないためドライ(乾いている)という表現になっていて、使用している回線はウエットと言われています。
かつてKDDIが、NTTからドライカッパを借用してメタルプラスというサービスを提供していました。(2016年にサービス終了)
最も代表的例なダークファイバーの使用例はNURO光
月額料金 | 戸建て:5,200円 マンション:2,090~2,750円 ※2ギガ(3年契約)プランの場合 | |
注目ポイント | ・最大2Gbpsが使える(最大10Gbpsも) ・キャンペーンが豪華(4.3万円CBなど) ・ソフトバンクとのセット割引あり |
NTTのダークファイバーを利用してサービスを提供している代表的な光回線は、NURO光です。
お客様宅から最寄りNTT局舎までの足回りの区間はNTTダークファイバーを使用し、NTT局舎内でNUROの設備に接続しています。
他の光回線と比べてサービス提供エリアが限定的であったり、開通までに時間がかかる事が多いですが、その分、光コラボ回線などと比べると高速で安定した通信が特徴です。
他の光回線と比べると開通までに時間がかかりますが、長い期間、毎日使うことになる光回線なので、開通までのスピードにこだわりすぎずに、通信速度などのサービスを重視して選ぶのも良いでしょう。
工事費実質無料、高額のキャッシュバックなどキャンペーンも強く、実質の負担額もかなり抑えることができます。
参考NURO光は選んでいいの?基本情報から口コミ・評判までを徹底解説!
KDDIのauひかりも一部NTTダークファイバーを使用している
月額料金 | 4,180円 ※マンションタイプV16の場合 |
注目ポイント | ・au・UQモバイルとのセット割引 ・独自回線で速度が期待できる ・工事費の割引などのキャンペーン |
auひかりも、KDDIの自前回線の他にNTTのダークファイバーを一部使用しています。
auひかりを提供するKDDIは、自社で光ファイバー設備を保有していますが、様々な理由によりNTTしか光回線が引けないようなエリアも存在します。
その場合でもダークファイバーを使用してサービスを提供するため、auひかりはサービス提供エリアが広い事で知られています。
参考auひかりはどんな光回線?口コミ・評判からメリット・デメリットまでを徹底解説!
ダークファイバーのメリットとデメリット
ダークファイバーは前述した通り、通信事業会社が光ファイバーを借りて独自の商品としてサービスを提供するために使用する事が多い、B to Bサービスである事がほとんどです。
ダークファイバーのメリット
- 比較的回線が混雑しにくいため安定した通信が可能
ダークファイバーの最たるメリットですが、他の用途に使用していないため回線が混雑しにくく通信品質が優れている事が多いです。
ダークファイバーのデメリット
- 利用できるエリアに限りがある
- 開通まで比較的が時間がかかる可能性がある
- 光コラボ等と比較すると料金は高額になる
基本的にはお客様(エンドユーザー)の申し込みが入ってから、光ファイバー提供事業者に借入の申請をします。
その後の開通工事調整などを含めると、比較的開通までに時間がかかる事が多いです。
よくある質問と回答
ダークファイバーと専用線の違いは?
ダークファイバーは、光回線事業者で敷設した光ファイバーのうち、使用していない光ファイバーの事。
自社で光ファイバーを保有していない企業が、通信サービスを提供するためなどに借りて使用するケースが多いです。
専用線は、利用者が希望する拠点間を結ぶ、専用で提供される回線。
企業の事務所間を結ぶ回線や、移動体通信の基地局、銀行間システムの連携などに使用される。
専用線はダークファイバーと違い、そのためだけに新たに回線を敷設するため、工事費や運用コストは高額になります。
ダークファイバーと芯線貸しは何が違う?
ダークファイバーは回線事業者側で敷設済みで使用していない光ファイバーの事です。
芯線(心線もと言う)は光ファイバーの事を指します。
つまり、芯線貸しは、光ファイバー(ダークファイバー)の貸し出しの事を言います。
シェアドアクセスとは?
シェアドアクセスとは光回線のサービス提供型の名称で、1本の光ファイバーをスプリッターで分岐させ複数のユーザーで共有する方式です。
NTT東西のシェアドアクセス方式は、8分岐もしくは32分岐単位での利用になります。
結論、ダークファイバーは事業者で使用していない余剰光ファイバーのこと
まとめ
- 回線事業者で光ファイバーを敷設したけど、使用していない余剰光ファイバーのこと
- 主に事業用として使われるため、個人での契約はできない事がほとんど
- NTT回線の事を指す場合が多いが、正確にはNTTだけではなく回線事業者が持つ余剰光ファイバー全般の事を指す
- アナログ電話で使用するメタル回線の余剰心線(芯線)は「ドライカッパ」と言う
参考リンク
NTT西日本 ダークファイバー|ICT用語集:https://www.ntt-west.co.jp/business/glossary/words-00255.html
NTT東日本 ダークファイバの利用開始に関する情報:https://www.ntt-east.co.jp/info-st/mutial/hikari/start.html