なるほど通信コラム

光回線のバックボーンとは?アクセスネットワークの上位網はどうなっているの?

光回線のバックボーンとは?アクセスネットワークの上位網はどうなっているの?

光回線のバックボーンとは一体何でしょうか?

この記事では、私たちが日常的に使用する通信が、どのような経路を辿ってインターネットに接続されているのか、バックボーンの構造、特徴、そしてその進化について詳しく解説します。

泊木所長
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分かりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。
  • この記事の監修者
トミー

トミー(ネットワークエンジニア)

関東出身、通信業界に約20年身を置く現役の通信技術者です。
これまでに販売代理店での固定系回線販売や、プロバイダーでのテクニカルサポート業務を経て技術畑に転身。
現在はモバイルネットワークに関わる業務に約16年従事し、無線通信や通信基地局向けの光回線、IPネットワーク等の技術と日々向き合っています。
このサイトでは、快適な通信環境を整えるための情報を、簡潔に噛み砕いて分かりやすく伝える事を心がけています。総務省認定:第一級陸上特殊無線技士 » 運営者情報 

バックボーンとはアクセスネットワークの上位に位置するネットワークのこと

バックボーンとはアクセスネットワークの上位に位置するネットワークのこと

普段使用している、光回線やスマホなどはインターネットに繋がる際、必ずバックボーンネットワークを経由する必要があります。

泊木所長
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皆さんが使う通信はどのような経路を辿ってインターネットに接続されているのか解説します。

光回線とバックボーンの関係性

光回線とバックボーンの関係性

光回線とバックボーンの関係性

バックボーンネットワーク(Backbone Network)

バックボーンは通信事業者側網内の基幹通信網のことを指します。

コアネットワークとも言います。

アクセスネットワーク(Access Network)

加入者(ユーザー)と通信事業者やプロバイダーの設備を結ぶネットワークの事です。

光回線・CATVなどの固定アクセス網や、スマホなどのモバイルアクセス網、衛星回線など様々な種類が存在します。

泊木所長
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このアクセスネットワークの部分が光回線です。

ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)

ビルや宅内などの狭い範囲で使用されるネットワークの事です。

一般的に狭いエリア内でのネットワーク接続を指すため、名称に「ローカル」という言葉が含まれています。

Local Area Networkは、LANケーブル、無線LANの頭文字を取ってLANと言います。

泊木所長
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光回線(アクセスネットワーク)の上位ネットワークがバックボーンになります。

バックホールとは似て非なる

バックボーンと似たような言葉で、「バックホール」と言う用語がありますが、似て非なる物なのでぜひ覚えてみてくださいね。

バックホール(Backhaul)は、携帯の無線基地局やアクセスポイントから、基幹通信網(データセンター)へのルートや接続を指します。

なお、バックホールの「ホール」は、HallやHoleではなく運搬などを意味する「haul」なので注意が必要です。

光回線のバックボーンの構造と特徴

光回線のバックボーンの構造と特徴

泊木所長
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次にバックボーンの構造と特徴について解説します。

バックボーンの構造詳細

まず、自宅から回線事業者の最寄り収容局までは光ファイバーが敷設されています。

収容局に届いた光信号は、電気信号に変換され、ISP(プロバイダー)の主要なネットワークへと流れていきます。

日本国内においては、NTTコミュニケーションズ、KDDI、IIJなどが主要なプロバイダーとして存在しています。

これらのISPは、インターネットエクスチェンジを介して相互接続されており、国内におけるバックボーンネットワークが形成されています。

ISP内でも各拠点(データセンター)間をリング状の構成などで相互接続しています。

さらに、日本国内のISPの上位には、世界各国の大手ISPが連携して、グローバルなネットワークを形成しています。

このネットワークは「インターネットバックボーン」と呼ばれ、海底ケーブルを介して各国の基幹ISPと相互接続されています。

泊木所長
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このように、私たちが日常で利用するインターネットは、複雑かつ巧妙なシステムによって支えられているのです。

NTT東西のバックボーン「NGN」とは?

NTT東西がメインで活用してるバックボーンは、NGN(Next Generation Network)と言い、2006年に実験的な導入が開始され、2007年下半年から商用化が始まった通信ネットワークです。

一言で表すと、ユーザーとISP間を結ぶ橋渡しのネットワークです。

IPNWを基盤とした通信ネットワークで、音声・データや映像などの情報を一つのネットワーク上で効率的に転送することが特徴です。

これより、高品質な音声通話や高解像度の映像通信が可能となり、さらに新しいサービスやアプリケーションの追加も容易になりました。

また、セキュリティ機能も強化されており、不正アクセスやデータの漏洩リスクを低減しています。

IPv6の接続ではVNE経由でインターネットに接続される場合もある

JPIX公式サイト

画像出典:JPIX公式サイト

VNE(Virtual Network Enabler)事業者は、インターネットプロバイダにIPv6ネットワークを貸し出すことで、エンドユーザーに向けてIPv6接続機能を提供しています。

VNE事業者の存在により、ユーザーはより高速で安定したIPv6通信を享受することができ、インターネットの利用体験が向上しています。

光回線のバックボーンは今後どう進化する?

光回線のバックボーンの今後はどう進化する?

泊木所長
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「オールフォトニクスネットワーク」という言葉を、聞いたことがありますか?

近年の通信技術の中で、この言葉が急速にその重要性を増しています。

従来のネットワークとは一線を画すその特性と、5Gとの絶妙なシナジーが、次世代の通信環境をどのように変えるのか解説します。

高性能なオールフォトニクスネットワーク

近年、光回線のバックボーン技術は急速に進化しており、その中心に位置するのが「オールフォトニクスネットワーク」です。

この技術は、ネットワークのすべてをフォトニクス(光)ベースの技術で構築することを目指しています。

現在、一般的なネットワーク構成として使用されているのは、オプティカルネットワーク(光)とIPNW(電気)の構成で成り立っていますが、

このネットワークを、ほぼ光ベースのネットワークに更改する事で、信号変換時の消費電力や遅延を抑制するという物です。

特に、NTTが掲げるIOWN構想において、オールフォトニクス・ネットワークは核心技術として位置づけられています。

この技術の導入により、通信速度は最大100Gbpsに達すると言われており、従来のネットワークと比較して電力効率は100倍、伝送容量は125倍、遅延は1/200という高性能が期待されています。

光回線の未来はどうなる?NTTが掲げる次世代通信IOWN(アイオン)構想をわかりやすく解説

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5G FMCで光回線とモバイル回線のコア設備併用

5Gの普及に伴い、モバイルデータのトラフィック需求は今後爆発的に増加すると予測されています。

特に、5Gの本領を発揮するためには、eMBB(超高速)、URLLC(低遅延)、mMTC(多数同時接続)といった厳しいサービス要件を満たす必要があり、ネットワーク設備の大幅な増強が不可欠となります。

一方、光回線は、その高速で安定した通信能力を持つ特性から、モバイル回線と光回線のコア設備併用をしようという物です。(5G FMCと言います)※FMC = Fixed Mobile Convergence

5Gと光回線は、それぞれ異なる接続仕組みを持ちながらも、相互に補完し合う関係にあります。

このような背景から、光回線のバックボーンは、5G FMCの実現に向けて海外等では検討が進められています。

(まとめ)バックボーンの特徴と役割

(まとめ)バックボーンの特徴と役割

泊木所長
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最後にこの記事の要点をまとめます。

まとめ

  • バックボーンはアクセスネットワークの上位に位置するネットワーク。
  • 国内プロバイダーのバックボーンの上位には、さらに大きなインターネットバックボーンがある。
  • インターネットバックボーンは、海底ケーブルなどを介して各国のプロバイダーと繋がっている。
  • IPv6の接続では、VNE経由でインターネットに接続される事もある
  • 光回線のバックボーン技術は急速に進化しており、「オールフォトニクスネットワーク」が注目されている。

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