一般的には「光回線は使い放題」という認識でサービスが提供されていますが、本当に使い放題なのでしょうか?
実は、一部のプロバイダでは通信制限が設けられることがあります。
光回線は特別な場合を除き「使い放題」と考えて良い
光回線は一部プロバイダで、膨大な通信量を行なった場合に通信制限がかかることがあります。
具体的には、「1日30GB以上の上り通信」や「直近3日間で150GB以上の上り通信」「P2P転送※や大量のファイルダウンロード」など、一般的ではない大量のデータ通信を行うユーザーを対象としています。
このような制限は、かなり大量の通信量を使用した場合のみ課されるため、一般的には「通信無制限」という認識でサービスが提供されています。
しかし、光回線の通信制限に関しては、明確な上限の数値が提示されていないことが多いです。
そのため、具体的な制限の内容や条件については、契約しているプロバイダーの利用規約や、約款などをよく確認しないと記載がない場合が多いです。
また、光回線が遅くなる原因は、通信制限だけでなく、回線の混雑や端末自体の問題も考えられます。
特に、土日や平日の夜間は多くの人がインターネットを利用するため、回線が混雑しやすくなります。
このような時間帯には、通信速度制限でなくとも通信速度が落ちることがあるので注意が必要です。
※ P2Pは、「Peer to Peer」(ピアツーピア)の略で、サーバーを介さずに端末(スマホやPC)同士で直接ファイルのやり取りを行う通信方式のことを言います。
今回は、NURO光とauひかりの2社のみ一例としてご紹介しますが、他の光回線事業者も約款に条件の記載があるはずです。
気になる方は是非確認してみてくださいね。
NURO光:通信速度制限条件の一例
NURO光の場合は、通信が著しく輻輳(ふくそう)するとき、P2Pアプリの利用時、帯域を継続的かつ大量に占有する場合は、制限することがある旨の記載があります。
出典:NURO光 約款より
auひかり:通信速度制限条件の一例
auひかりの一部プランの場合は、1日あたり30GB以上のデータを継続的に送信(上り)させる場合、上りデータ送信の最大速度を一定水準に制限することがあります。
と記載があります。
出典:auひかり契約約款より
通信におけるフェアユースポリシーとは
フェアユースとは、通信サービスの品質を維持するために、一部のユーザーの通信速度を一時的に制限する制度のことを指します。
このポリシーは、通信サービスプロバイダーが提供する通信サービスの品質を維持するための制度の一つです。
一部のユーザーが過度に通信を利用し通信帯域を占有することで、他のユーザーの通信品質が低下することを防ぐために設定されています。
その理由を次に詳しく解説します。
光回線で通信制限が設けられる4つの理由
各種通信サービスの制限は、多くのプロバイダーによって設けられています。
その背景には、さまざまな理由が存在します。
以下に、通信制限が設けられる主な理由を詳しく解説します。
ネットワークの混雑を防ぐため
一定の時間帯に多くのユーザーが同時に通信を行うと、ネットワークが混雑し(輻輳と言います)、通信速度が低下する可能性があります。
通信制限を設けることで、ネットワークの混雑を防ぎ、安定した通信品質を維持することができます。
公平なサービス提供を行うため
一部のユーザーが大量のデータを使用すると、他のユーザーの通信速度や品質に影響を及ぼす可能性があります。
通信制限を設けることで、すべてのユーザーに公平にサービスを提供することが目的です。
セキュリティ確保のため
通信制限は、セキュリティ上の理由からも設けられることがあります。
例えば、不正なアクセスやサイバー攻撃を検知した際に、通信を一時的に制限することで、セキュリティの脅威からネットワークを保護することができます。
通信制限は、このような理由からも設けられています。
通信設備の保全とコスト抑制のため
連続的な大量のデータトラフィックは、通信設備に負荷をかける可能性があります。
このような負荷が継続すると、通信インフラの劣化や故障のリスクが高まります。
また、データトラフィック量が増加すると、通信事業者側の設備投資等のコストも増加します。
通信制限を設けることでリソースを管理し、適切な価格でサービス提供を継続することができます。
光回線とホームルーターなどのモバイル回線の違い
光回線は、安定したインターネット環境が必要なユーザーに適しています。
一方、モバイル回線は、移動性を重視するユーザーや、工事不要で使いたいユーザーに適しています。
光回線の通信制限と特徴について
大容量の通信を使用した場合のみ通信制限にかかる事があるが、一般的な利用で制限にかかる事はほとんどありません。
メリット
- 光回線は、非常に高速な通信速度を提供します。動画のストリーミングや大容量のデータ転送に適している
- 物理的なケーブルを使用するため、接続は安定する
- 一度に多くのデータを送受信することが可能
デメリット
- ルーターなどの設備や、開通工事に関わる費用がかかる場合がある
- 一部の地域では、光回線のサービスが提供されていない場合がある
モバイルWi-Fiの通信制限と特徴について
無制限のプランを除き、月間のデータ通信量に制限があります。
契約したデータ量を超えると、通信速度は128Kbps低下することが一般的です。
メリット
- 電波さえ届けば場所を問わずにインターネットに接続することができる
- 光回線に比べて、初期費用が少なく済む場合が多い
デメリット
- 電波を使用するため光回線に比べて通信品質は安定しない
- 一定のデータ通信量を超えると速度制限される場合がある
ホームルーターの通信制限と特徴について
光回線の代替手段として提供されるケースが多いため無制限の場合が多いですが、一定のデータ通信量を超えると速度制限される場合があります。
メリット
- ご自宅で複数のデバイスを同時にインターネットに接続することができる
- 光回線のような引き込み工事は必要ない(ルーターを置くだけで利用可能)
デメリット
- 一部の通信会社を除き、契約場所のみでの利用に限られる
- 電波を使用するため光回線に比べて通信品質は安定しない
光回線の選び方と申し込み時の確認ポイント
光回線は多くのプランやサービスが提供されているため、何が自分にとって最適な回線なのかを見極めるのは難しい事が多いです。
しかし、適切な光回線を選ぶことで、インターネット利用時の快適さや、コストパフォーマンスを大きく向上させることができます。
通信速度(現在は最大1Gbpsの速度が主流)
まず、光回線の選び方のポイントとして、通信速度が挙げられます。
現在、最大1Gbpsの通信速度が一般的ですが、5Gbpsや10Gbpsなどの通信速度も登場しています。
高速な回線を選ぶことで、動画のストリーミングやオンラインゲーム、大容量のデータのダウンロードなどが快適になります。
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利用料金(回線速度が上がれば高額になる)
速度だけでなく利用料金も重要な要素です。
一般的に、最大通信速度が高くなると比例して料金は高くなります。
月額料金や工事費などの初期費用、契約期間による違約金など、料金に関する詳細をしっかりと確認することが重要です。
サービス提供エリア(希望する光回線が利用できるエリアを確認)
エリアによって提供されるサービスや通信速度メニューが異なることがあります。
自分の住むエリアでのサービス提供状況を確認する事が必要です。
また、トラブルが発生した際のサポート体制や対応の速さも、回線事業者を選ぶ際のポイントとなります。
通信の安定性(混雑時の通信品質など)
一時的な速度低下や回線断が少ない回線を選ぶことで、より快適にインターネットを楽しむことができます。
ただし、安定性は実際に使ってみないと判断ができないので、SNSなどでの口コミなども参考にしながら選ぶようにしてください。
キャンペーン(キャッシュバックや工事費無料など)
新規契約時のキャンペーンや特典を提供しているプロバイダを選ぶことで、初期費用やランニングコストの一部を抑える事ができます。
キャッシュバックや工事費無料などの特典に注目するようにしてみてください。
オプションサービス
追加料金で提供されるオプションサービスの内容や価格も、選ぶ際のポイントになります。
セキュリティ対策や、有償サポートサービス、動画配信サービスとのセットプラン等、必要な場合は確認をするようにしてください。
まとめ
まとめ
- 光回線は一般的に「使い放題」と考えて良いが、大量の通信を行った場合に制限がかかる事がある
- 通信制限の具体的な条件は、一般的なデータトラフィック量を超えた異常な使い方をした場合のみ
- 通信制限に関する情報はプロバイダの利用規約や約款で確認する必要があるが、明確にされていない事も多い
参考リンク
- 総務省資料 我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算:https://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eidsystem/market01_05_03.html
- インターネットトラフィック(通信量)推移データ:https://www.ntt.com/about-us/covid-19/traffic.html