光回線が時代遅れになっていると聞いたことはないでしょうか?
しかし、それは使用する人のニーズや状況によって大きく異なります。
光回線の存在意義が問われる今、その真実を考えてみたいと思います。
参考【代替案】光回線が引けない!光回線以外のインターネット回線を全解説!5G回線はおすすめ?
光回線はそもそもどんな回線?光回線の基礎知識
光回線は、インターネット接続のための主要な手段として現在も一般的に利用されています。
その高速な通信速度と安定性から、多くの家庭やビジネスなど多岐にわたり利用されてきました。
しかしながら、テクノロジーは常に進化しており、新たなネット回線が登場しているため、一部では光回線が時代遅れと見なされる傾向もあります。
光回線は、光ファイバーを用いたインターネット回線です。
光は世界で最も速いと言われているので、光回線は他のインターネット回線と比べて、最も速く通信できます。
例えば、新たな技術の一つである5Gのモバイル回線は、光回線と同等またはそれ以上の速度でデータを送受信する能力を持っています。
さらに、5Gモバイル回線はモバイル端末を使って通信をするため、場所にとらわれずに高速インターネット接続を利用できます。
これらの理由から、一部の人々は光回線が時代遅れと考えているケースがあります。
しかし、光回線が完全に時代遅れとは言えません。
一部の地域や用途では、5Gや他の新技術に比べて光回線が優れた選択肢となる場合があります。
特に、大量のデータを送受信する必要がある企業や、インターネット接続の安定性が求められる場所では、光回線が最適な選択肢となることが多いです。
光回線のメリットとデメリット
光回線のメリットとしては、その通信速度の速さや安定性、データ利用量に制限がないことなどが挙げられます。
また、Wi-Fiルーターを使えば無線接続も可能で、PCやスマホなど複数のデバイスを同時に接続することができます。
一方、デメリットとしては、サービス提供エリアが限定されているため、サービス提供エリア外では利用することができないことや、自宅まで光ファイバーを引き込むために工事が必要となることなどがあります。
なぜ光回線が時代遅れと言われるのか
光回線が時代遅れと言われる背景には、新しい通信技術の登場と光回線の通信速度の問題があります。
特に、5Gなどの次世代のモバイル回線が注目を集めています。
これらの技術は、一部の光回線と同等またはそれ以上の通信速度を実現し、モバイル端末での利用が可能となっています。
また、光回線の通信速度が低下する可能性も指摘されています。
特にマンションなどでは、ゴールデンタイムなどの夜間に利用者が集中し、回線が混雑しやすくなるため通信速度が低下することがあります。
しかし、それは全ての場合に当てはまるわけではなく、モバイル回線でも同様の速度低下は起きています。
しかし、それは全ての場合に当てはまるわけではなく、現在でも光回線は重要な役割を果たしています。
光回線は5Gのバックホールとしても利用されている
光回線は5Gのバックホール回線としても利用されています。
5Gモバイル回線は、基地局とモバイル端末間の通信には電波を使用した無線通信が行われます。
しかし、通信基地局とその後ろにあるネットワークセンターの区間(バックホールと呼ばれる)は、主に光回線で構成されています。
現在は、主に10Gbpsの光回線が使用されていますが、モバイル回線はバックホールの伝送速度を超えることはできず、理論上でも最大10Gbpsが限界です。
将来的には、100Gbpsの光回線が登場すれば、それに応じてモバイル回線の通信速度も向上することになります。
光回線と最新通信技術の比較
光回線 | ・引き込み工事が必要、利用場所は固定されている ・基本的にはデータ容量無制限で利用可能 ・高速で安定している |
5Gモバイル回線 | ・電波が届けば場所は問わず使える ・電波状況により通信の安定性が変化 |
衛星インターネット | ・衛星を捕捉できれば場所は問わず使える ・天候の影響を受ける |
光回線と5Gモバイル回線の比較
光回線の通信速度は理論上、1Gbps~10Gbps、一方で5Gモバイル回線は最大4Gbps程度(実測値はもっと低い)となります。
ただし、これらは理論値であり、実際の速度は環境やデバイス性能サービス内容、電波状況により変動します。
5Gは場所を問わずインターネットを利用できる一方で、光回線は高速かつ安定、大容量通信が可能ですが、引き込み工事が必要で利用場所が固定されます。
光回線と衛星インターネットの比較
光回線は、動画視聴やゲームなどデータ量の多い使途に向いていますが、引き込みした場所でのみ利用可能です。
一方、衛星インターネットは、ほぼどこでもネット利用可能で、特に遠隔地やインフラ未整備地域で役立ちます。
しかし、悪天候が回線に影響を及ぼす事があり、回線速度や反応速度(ピング値)は光回線よりも遅く不安定です。
光回線は今後進化する可能性はあるのか?
スマートフォンから基地局へ、そして基地局から光回線を通じてインターネットへの接続速度向上は、無線と光回線の両方の進化が求められています。
多岐にわたる可能性が存在する光回線の未来進化を探ると、注目される進化の一つは、光通信と無線通信技術の融合です。
光ファイバーを使わずに通信を行い、1Tbpsを超える大容量・低遅延の通信が理論的に可能と言われている、光無線通信の進化も見逃せません。
これまで電波通信で行われてきた枠組みを超越し、新たな通信の世界が開かれる可能性があります。
そして、6Gや7Gのような次世代の通信技術とともに、光回線の役割や性能も進化する可能性があります。
6G、7Gの世界では、SF映画のような体験が可能になるかもしれません。
これらの技術進化は、通信の未来を大きく左右する要素となるでしょう。
NTTが掲げるIOWN構想とは?
NTTが推進するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想は、情報通信基盤の大変革を目指しています。
その一部として開発されたのが、APN(All Photonics Network)です。
APNは、光を使った通信技術をネットワーク全体に適用し、これまでの電気通信による制約を克服することを目指しています。
APNは、光のダイレクトパスを利用して、大容量で、低遅延、セキュリティ上安全な通信を可能にします。
従来の光回線と比較して約1.2倍の容量を持つとされていて、これにより光回線の利用者は、より高速で安定した通信を利用することが可能になります。
参考光回線の未来はどうなる?NTTが掲げる次世代通信IOWN(アイオン)構想をわかりやすく解説
どのような回線が自分に適しているのかを判断して使い分けることが重要
自分に適した通信技術、光回線と最新の通信技術の選び方は、インターネット利用状況やニーズによるところが大きいです。
大量のデータを高速に送受信する必要がある場合や、安定した接続が求められる場合は、光回線が有力な選択肢となります。
特に動画のストリーミングや大容量ファイルのダウンロード、途切れると困るビデオ会議やオンラインゲームには適しています。
一方で、地球上どこでも接続可能な最新の通信技術、例えば5Gや衛星インターネットは、通常の接続が困難な場所や移動しながらの利用を考える場合には適しています。
ただし、光回線は設置に工事が必要で、移転時には再度の工事が必要となります。
また、5Gや衛星インターネットは接続可能エリアに制限があることもあります。
それゆえ、自身のライフスタイルとニーズに応じた通信技術の選択が重要となります。
光回線が時代遅れか否かは、使用する人のニーズや状況による
まとめ
- 光回線と最新の通信技術の選択は、自身のインターネット利用状況やニーズによる。
- 光回線は一部の地域や用途では、5Gや他の新技術に比べて優れている。
- 光回線は通信速度が速く、データ利用量に制限がないがサービスエリアが限定されている。
- 5Gは光回線と同等の速度でデータを送受信し、場所にとらわれず利用可能。
- 5Gは通信事業者と契約すればすぐ利用可能だが、光回線と同様に通信エリアが限られている場合がある。
参考リンク
- NTT東日本:https://flets.com/column/optical_cable/
- スターリンク:https://www.starlink.com/
- ソフトバンク 光を駆使した未来の通信への第一歩。「トラッキング光無線通信技術」の実証実験成功で広がる通信の可能性:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20210325_01
- IOWN構想とは? その社会的背景と目的:https://www.rd.ntt/iown/0001.html