ベストエフォート(Best Effort)は、直訳すると最大の努力という意味になり、通信帯域の保証を伴わないサービス方式を指します。
一方、ベストエフォートではない方式は、ギャランティ方式と言います。
光回線のベストエフォート方式とは?
提供方式 | 特徴 |
ベストエフォート方式 | 最大限の努力でデータ送受信するが通信帯域は保証されないタイプ(混雑などの影響により通信品質が変化する) |
ギャランティー方式 | 利用可能な通信帯域を予め確保(保証)するタイプ |
バースト方式 | ギャランティ方式の帯域ではカバーできずに溢れるトラフィックを、ベストエフォート方式で処理するタイプ |
最大限の努力でデータ送受信するが通信速度や品質は保証されない
ベストエフォート(Best Effort)は、直訳すると最大の努力という意味になり、通信帯域の保証を伴わないサービス方式を指します。
この方式の最大の特徴は、一つの伝送路を複数のユーザーと共用することです。
使用できる通信帯域がユーザー(トラフィック)の増減により変化するため、それに伴い通信速度等の通信品質も変化します。
通信インフラを共有し、効率的に使用することができるため、結果として利用料金を安く抑えることができます。
一般的な光回線のサービスはこのベストエフォート方式で提供されています。
帯域を保証するタイプはギャランティ方式
使用できる帯域を予め確保し、他ユーザーの影響を受けないようにしたのが、ギャランティー方式(guarantee = 保証)です。
帯域を占有するため利用料金は高額になります。
主に銀行のATM用の回線など、事業用で使用される事が多く、24時間監視保守対応などのサービスが付帯する事も多いです。
- NTT APN IOWN:https://www.ntt-west.co.jp/business/solution/apn/
- KDDI 国内イーサネット専用サービス(帯域保証型):https://biz.kddi.com/service/ethernet-senyo/charge/
一部の帯域のみを保証するのがバースト方式
バーストトラフィック発生時に、予め決められていたギャランティ方式の帯域ではカバーできずに溢れるトラフィックを、ベストエフォート方式で処理するタイプの回線です。
基本的にはこちらも事業用回線として使用されています。
Burst Traffic(バーストトラフィック)= 短時間で大量に発生するデータトラフィック
なぜ通信契約ではベストエフォートタイプが一般的なのか
ベストエフォート制度は、前述の通り「最大の努力」を意味しますが、通信業界においてはベストエフォート方式での提供が一般的です。
では、なぜこのような制度が一般的になっているのでしょうか。
通信設備の効率的な利用につながる
通信ネットワークは、多くのユーザーが同時にアクセスすることが前提となっています。
ベストエフォート方式を導入することで、一つの伝送路を複数の利用者で共用しますので、通信設備の効率的な利用につながります。
帯域保証の光回線と比べて顧客に安く提供できる
通信速度を保証するサービスは、その保証分のコストが発生します。
ベストエフォート方式では、速度の保証をしないためサービス提供コストを大幅に削減することができます。
これにより、消費者にとっても利用料金を安く抑えることが可能となります。
柔軟なサービス提供が可能
通信速度の保証をしないことで、さまざまなサービスやプランを提供することが容易になります。
これにより、消費者のニーズに合わせたサービスを展開することができます。
光回線でなるべく高品質な通信をするためには
ここがポイント
- IPv6(IPoE)・ IPv4 over IPv6が利用できるプロバイダーを選ぶ
- 10G(ギガ)など広帯域のプランを契約する
IPv6(IPoE)・ IPv4 over IPv6が利用できるプロバイダーを選ぶ
IPv6は、IPv4と比べてアドレスの利用可能性が高く、将来的なインターネットの拡張性やセキュリティに対応するための新しいプロトコルです。
IPv4とは「Internet Protocol version 4」の略で、インターネットの通信規格を指します。
一方、IPv6は「Internet Protocol version 6」の略で、IPv4の後継として開発された通信規格です。
IPv6(IPoE)とは?
IPv6接続には、PPPoE方式とIPoE方式の2つの方法があります。
PPPoE方式はPPP認証を使用し、都度IPv6アドレスを割り当てる方式です、一方、IPoE方式は「IPv6で接続点(POI点)までルーティングするため通信速度がより高速です。
そのため、IPv6(IPoE)接続が可能なプロバイダーやルーターを選ぶことをおすすめします。
IPv4 over IPv6とは?
IPv4 over IPv6は、IPv6の環境下でもIPv4アドレスによる接続の両方を可能にする接続方式です。
IPv6は、IPアドレスの枯渇問題を解決するために開発され、IPアドレスの数が2の128乗という大きさを持っています。
しかし、IPv4とIPv6は異なる通信方式なので、直接の互換性はありません。
そのため、IPv4とIPv6の両方に対応する通信方式が求められるようになりました。
そこで登場したのが「IPv4 over IPv6」です。
IPv4 over IPv6を利用することで、IPv4とIPv6の両方の通信方式を利用することができ、インターネットの通信速度や品質を向上させることができます。
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10G(ギガ)など広帯域のプランを契約する
10G(ギガ)など広帯域のプランは、通常の1Gプランよりも高速な通信が可能です。
10Gプランの最大のメリットは、通信速度が圧倒的に速いことです。
これにより、大量のデータを短時間でダウンロードしたり、高画質の動画をスムーズにストリーミングしたりすることが可能になります。
また、多くのデバイスが同時に接続されても、通信の安定性が保たれるのも大きな特長です。
しかし、提供エリアが限られていることや、月額料金が高くなることも考慮する必要があります。
10G(ギガ)などの広帯域のプランを契約することで、これまで以上の高速で快適なインターネット環境を手に入れることができます。
契約する前には、自身の利用環境やニーズに合わせて、プランの内容や料金、提供エリアなどをしっかりと確認することが重要です。
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(まとめ)ベストエフォートタイプは最大限の努力で通信するが帯域は保証されない
まとめ
- ベストエフォート方式は「最大の努力」を意味し、通信帯域の保証を伴わないサービス方式。
- ギャランティ方式は通信帯域を予め保証する方式。
- バースト方式はギャランティ方式の帯域を超えたトラフィックをベストエフォート方式で処理する方式。
- ベストエフォート方式が一般的な理由は、通信設備の効率的利用や低コストでの提供が可能なため。
参考リンク
ソフトバンク「ベストエフォート型のサービス」とはどういったものですか?:https://www.softbank.jp/support/faq/view/18356