「光回線が安定しない」「速度が遅くて不便」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
光回線で通信が不安定になる原因は様々ですが、主な原因はいくつかに絞り込むことができます。
それらの原因について見直しすれば、元の快適な通信に復帰できる可能性が十分にあります。
参考光回線が断線した場合の修理方法は2つ!断線の原因も解説します
まずは速度テストで回線の状態をチェックしてみる
「光回線が安定しない」と感じたら、まずは速度テストを実行してみましょう。客観的に速度が遅いのかを把握できます。
Google検索で「インターネット速度テスト」と検索すると、回線速度が計測できるページがいくつも出ますが、Googleが提供している速度テストなら検索結果からすぐに速度テストも可能です。
低い数値が出たら、原因を突き止めて対策を考えるステップに進みましょう。
10Mbps以下の場合はどこかに問題が有る可能性が高い
通信速度の目安は以下の数値を参考にしてみてください。
VDSLなど特殊構成の光回線を使用している場合でも、10Mbps以上の通信速度は出て欲しい所です。
通信速度の目安 | |
100Mbps以上 | とても速い |
50〜100Mbps | 速い |
10〜50Mbps | 普通 |
1〜10Mbps | やや低速 |
1Mbps未満 | 低速 |
384Kbps未満 | 超低速 |
光回線が安定しない原因とその対策
光回線が安定しない(接続が切れる・速度が遅い)と感じたら、以下の原因を疑ってみましょう。
光回線が安定しない原因
- ONUやルーターの調子が悪い
- ルーターの設置場所に問題がある
- 利用している場所に電波が届いていない
- 使用しているネットワーク機器が古い
- 回線が混雑している
- ルーターへの接続台数が多い
- 通信障害が発生している
- 混雑の影響を受けやすいIPv4方式で通信している
- 接続しようとしているサイト側に問題がある
原因1:ONUやルーターの調子が悪い
ONUやルーターの長期間稼働が原因で、小さい不具合が蓄積して速度低下に繋がっているケースがあります。
また、夏場など気温が高い場合は、ルーター内部の熱が原因で不調を起こしているケースもあります。
ONUやルーターが不調の場合は再起動が有効です。
再起動することで小さな不具合や他の端末との干渉といった速度低下の原因をリセットできます。
また熱が原因の場合は、再び起動させるまでに少し時間をおけば放熱できます。
原因2:ルーターの設置場所に問題がある
障害物や電波干渉を起こすものがWi-Fiルーターの近くにあり、デバイスまで電波が届いていない可能性があります。
置き場所に注意
- 部屋の四隅や周りに物があるところ
- 水槽や加湿器の近く
- 電子レンジの近く
まず、部屋の四隅は壁が障害になるので避けましょう。
部屋の中央が理想ですが、難しい場合は壁際や、四隅ではない位置を選ぶなど少し配慮をして設置しましょう。
そのほか水槽や加湿器、電子レンジなど電波の障害となるものの近くは避けるべきです。
電波は水中を通り抜けるのが難しく、電子レンジについては電波干渉の可能性があります。
原因3:利用している場所に電波が届いていない
デバイスを使う場所が遠すぎて、Wi-Fiルーターからの電波が届いていないケースもあります。
まずは設置場所の変更を検討しましょう。
「よく使う部屋に設置し直す」「2つの部屋の中間に移動する」など工夫してみましょう。
また、家中で電波を使うためには、どうしても電波が届かないという場合には、
- 電波の届くWi-Fiルーターに買い替える
- 中継器を設置する
など方法も考えられます。
ルーターごとに電波の届く距離は決まっています。より遠くまで電波の届く性能の良いものに買い替えるのが方法の一つです。
また中継器の導入も有効です。中継器はルーターの電波を中継して、遠くまで届くようにしてくれる機器です。
ルーターとデバイスを使いたい部屋の中間あたりに設置すれば、安定した通信ができる可能性があります。
設置場所の変更で解決しない場合は、こうした少し費用をかける方法も検討してみると良いでしょう。
原因4:使用してるネットワーク機器が古い
3~5年など長い期間ルーターの交換をしていない場合には、ルーターが古くてスペック不足の可能性もあります。
またLANケーブルも通信規格が古いと、対応速度が足りていない可能性があります。
高速通信できる光回線を契約しているなら、それに見合うスペックのルーター・ケーブルへの買い替えを検討したいところです。
規格名 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
IEEE802.11ax (Wi-Fi6E) | 9.6Gbps | 2.4Ghz帯/5GHz帯/6GHz帯 |
IEEE802.11ax (Wi-Fi6) | 9.6Gbps | 2.4Ghz帯/5GHz帯 |
IEEE802.11ac (Wi-Fi5) | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11n (Wi-Fi4) | 600Mbps | 2.4Ghz帯/5GHz帯 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4Ghz帯 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 |
IEEE802.11 | 2Mbps | 2.4GHz帯 |
IEEE802.11gやIEEE802.11bなど古い規格のルーターを使っているなら、Wi-Fi5やWi-Fi6対応の最新ルーターへ買い替えを考えましょう。
飛躍的な速度アップが期待できます。
LANケーブルのカテゴリ
- CAT8(通信速度40Gbpsに対応)
- CAT7(通信速度10Gbpsに対応)
- CAT6a(通信速度10Gbpsに対応)
- CAT6(通信速度1Gbpsに対応)
最新規格はCAT8までありますが、こちらは業務用でオーバースペックになるので、家庭用で使うならCAT6aあたりがおすすめです。
CAT6aなら製品の種類も豊富で、スペックも最大10Gbps対応と十分です。
原因5:回線が混雑している
同じエリアで同じ時間帯にネットを利用する人が増えると、回線混雑で通信速度が低下する場合があります。
ネット回線も道路と同じように、利用者が増えると渋滞が起こります。
とくに同じエリアで回線を共有する人数が多い場合には、回線の混雑が起こりやすいです。
マンションやアパートなどで、特定の時間帯に極端に速度が落ちる場合には、回線の混雑を疑ってみるべきです。
同じエリアで回線利用者が多い場合には、光回線の乗り換えも検討してみましょう。
「NURO光」や「auひかり」などの独自回線は、一回線当たりの利用者が少なく、混雑が避けられる傾向にあります。
また、マンションで共有人数が多いというケースでは、マンションプランではなく戸建てプランを契約するという方法もあります。
戸建てプランなら、自分1人で回線を独占でき、回線混雑を回避できます。
ただし光回線の引き込み工事には、物件オーナーの許可が必要となるので事前によく確認しておきましょう。
原因6:ルーターへの接続台数が多い
Wi-Fiルーターに同時接続している台数が多いと、通信が不安定になることがあります。
ルーターごとに同時接続の推奨台数は決まっています。
推奨台数の上限ギリギリになると速度が低下してしまう可能性があります。
すぐできる対策としては、Wi-Fiルーターに接続しているデバイスの数を減らすことです。
実際に数を減らして通信が安定するなら、やはり接続台数が原因だったと分かります。
また、接続台数が多くなることが今後も頻繁に起こるなら、接続できる台数の多いルーターへの買い替えも検討しましょう。
家族で使うなら4~5台接続できるものを選びたいところです。
実際使う台数より少し余裕があるとなお良しです。
原因7:通信障害が発生している
プロバイダでの通信障害が原因で通信が不安定になっているケースも考えられます。
通信障害の原因は、トラフィックの増大、落雷などによる設備の不具合など様々です。
通信障害については、自分でできる根本的な対策はありません。
公式サイトで通信障害の状況についてお知らせをしている事業者もあります。
まずは契約している光回線の公式ページのお知らせを確認してみましょう。
原因8:混雑の影響を受けやすいIPv4方式で通信している
光回線・2つの通信方式
- IPv4:従来の通信方式。混雑しやすい。
- IPv6:最近普及しつつある通信方式。混雑に強い。
光回線を最近契約した場合を除くと、IPv4方式を利用していることが多いです。
また、最近契約した場合でも、プロバイダによってはIPv6に非対応のこともあります。
通信方式がわからない場合には、以下のサイトにアクセスしてみてください。
インターネット接続している状態で、URLにアクセスすると、IPv4、IPv6のどちらか、また両方で通信している事を判別できます。
サイトで「IPv6方式」または「IPv4 IPv6 両方で通信しています」と出れば、IPv6を使用していることになります。
原因9:接続しようとしているサイト側に問題がある
回線には何も問題がなく、接続しているサイト自体が重いということもあります。
インターネットでWebサイトが見られるのは、サーバーに接続して情報を受信しているからです。
サイトのサーバーが重い場合には、インターネットの速度に関係なく表示が遅くなります。
「特定のサイトだけ開くのが遅い」という場合には、そのサイトのサーバーの問題である可能性が高いでしょう。
光回線の安定性を改善する方法(暫定的・抜本的対策)
5つの解決方法を詳しく紹介していきます。
ユーザー側でできる対策6選
- 定期的に速度を測定し、混雑時間帯を避けて利用する
- Wi-Fi接続の周波数を5GHzに切り替えて使用してみる
- 複数の機器で同時に大容量通信をしない
- ルーターの買い換えを検討する
- 混雑の影響を受けにくいIPv6方式に変更する
- 光回線の会社を変更する(乗り換える)
定期的に速度を測定し、混雑時間帯を避けて利用する
冒頭にご紹介した通り、通信速度の測定は、アクセスするだけでサイトの速度が測定できるため使い方も簡単です。
測定サイトで朝・昼・夜などよく利用する時間帯に速度をみてみましょう。
速度の落ちてしまう時間帯を避けると、快適に通信できます。
大きな容量のものをダウンロードする際には、速度の速い時間帯を利用するのがおすすめです。
Wi-Fi接続の周波数を5GHzに切り替えて使用してみる
Wi-Fiルーターと電子レンジなどの電化製品が同じ2.4GHz帯の電波を使用しているため、電波干渉を起こす事があります。
使用しているルーターの機種によっては2.4GHz以外に、5GHzか6GHzの周波数を使える場合があります。
5GHzは、他の機器との干渉がほぼなく安定した通信が実現できます。
ただし、5GHzは2.4GHzに比べて障害物に弱く、遠くまで電波が届きにくいというデメリットも存在します。
そのため、Wi-Fiルーターの位置や設定を適切に調整することが重要となります。
Wi-Fiの無線区間に問題が生じている場合は、有線LANを使用してみるのも一つの手段です。
複数の機器で同時に大容量通信をしない
速度が遅い場合には、複数の機器を同時に利用するのを避けるのがおすすめです。
複数の機器で大容量通信を同時に行うと、Wi-Fiの通信速度が低下する可能性が高くなります。
これは、1つのインターネット回線を複数の機器で共有すると、通信速度が分散されるためです。
また、Wi-Fiルーターには「最大同時接続台数」という制限があり、この数を超えると追加のデバイスは回線に接続できません。
Wi-Fi通信を安定させるには、同時に大容量通信を行う機器の数を制限すると良いです。
参考光回線は何台のデバイスまで接続可能?接続台数と通信速度の関係も解説
ルーターの買い換えを検討する
ルーターが古い場合には、買い換えてしまうのもおすすめです。
さまざまなメーカーからWi-Fiルーターが販売されています。
価格帯や細かな機能の差はあれど、最新モデルであれば、光回線の速度を生かせるでしょう。
安価なものであれば1万円以下で購入できるので、Wi-Fiルーターの速度が気になる方は買い換えるのがおすすめです。
混雑の影響を受けにくいIPv6方式に変更する
IPv4方式を利用している場合には、IPv6に変えると速度が安定する場合があります。
IPv6に対応しているプロバイダやルーターは限られています。
現在の環境で対応できるのか確認してみましょう。
ルーターの買い換えやプロバイダの変更が必要になるかもしれません。
光回線の会社を変更する(乗り換え)
そのほか、光回線の会社を変更するのも一つの方法です。
マンションタイプでも、戸建てと同じように自宅専用の回線を引くことが可能な会社もあります。
最後におすすめを紹介しているので、合わせて確認してみてください。
なお、回線会社を変更する場合には、違約金等が発生する場合もあります。
乗り換え先でキャッシュバックやキャンペーンを利用して、少しでも負担を減らすのがおすすめです。
参考光回線の違約金が高すぎる!?解約時に発生する可能性がある4種類の料金を解説
通信速度に定評のある光回線3選をご紹介
通信速度を上げたいという場合は、10Gプランへの乗り換えもおすすめです。
以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
光回線の1Gと10Gはどう違う?違いやおすすめな人を紹介します
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NURO光:標準の最大回線速度が2Gbpsと他より速い
NURO光は、NTTのフレッツ光で余っている回線を借り受けています。
NTTとは違うサービスを提供しており、最高速度は標準的なプランで2Gbps(一般的な光回線1Gbpsが主流)です。
プロバイダと物理的な光回線の提供会社が一緒であり、月々4,743円から利用できます。
また、Wi-Fiルーターが無料でレンタルできるのも嬉しい点です。
利用エリアが限られるため、事前にエリア検索をするのがおすすめです。
auひかり:利用者増による混雑の影響を受けにくい
auひかりは、NTTとは異なる回線を使用しています。
そのため、フレッツ光のように利用者が増えることによる混雑を回避できるでしょう。
また、利用料金も安いのが魅力だといえます。
複数のプロバイダから選べるため、キャッシュバックや特典の多いプロバイダと契約することも可能です。
高額キャッシュバックや、安価な月額料金が魅力です。
また、auスマホとのセット割があり、スマホ1台につき最大1,100円が割引になるのも嬉しいポイントです。
ドコモ光 10Gプラン:最大10Gbpsの高速通信に対応
ドコモ光の10Gプランには、マンションプランが見当たらないため、「マンションには非対応なのでは?」と思う方がいるかもしれません。
しかし、実際にはマンションでも利用できます。
マンションと戸建てのプランが合体したと考えると分かりやすいでしょう。
最大10Gbpsと、他の光回線を圧倒する速度である点が魅力です。
ただし、提供エリアは都市部などの一部エリアに限られています。
docomoスマホとのセット割があり、スマホ1台につき最大1,000円が割引になります。
NUROやauひかりを利用していて乗り換えを検討している方や、超高速回線に魅力を感じる方におすすめです。
光回線が不安定になる原因と対策まとめ
光回線が安定しない原因とその対策を解説しました。まずはスピードテストを実行して、現状の把握から始めましょう。
速度が安定しない主な原因と対策を整理すると、以下の通りです。
光回線が安定しない原因
- ONUやルーターの調子が悪い
- ルーターの設置場所に問題がある
- 利用している場所に電波が届いていない
- 使用しているネットワーク機器が古い
- 回線が混雑している
- ルーターへの接続台数が多い
- 通信障害が発生している
- 混雑の影響を受けやすいIPv4方式で通信している
- 接続しようとしているサイト側に問題がある
ユーザー側でできる対策5選
- 定期的に速度を測定し、混雑時間帯を避けて利用する
- 複数の機器で同時に大容量通信をしない
- ルーターの買い換えを検討する
- 混雑の影響を受けにくいIPv6方式に変更する
- 光回線の会社を変更する(乗り換える)
ぜひ参考に原因の確認と対策を進めてみてくださいね。